介護職の夜勤は、一人勤務となる施設も少なくありませんが、「一人なのは日中の業務より忙しくないから?」「一人勤務って当たり前なの?」と疑問や不安を感じる人も多いと思います。
そこで、介護夜勤の勤務体制の実態や仕事内容について解説。また、緊急時の対応方法についてもご紹介します。
目次
介護の夜勤で一人勤務はよくあるの?
介護職は深刻な人手不足に直面している職種の一つです。規模が小さい施設もあるため、一人で夜勤業務をおこなわなければならない施設も多くあります。
一人夜勤では万が一の場合の対応を要するケースもあり、緊張感を伴うことから、自分に務まるのか不安に思う人も多くいるでしょう。しかし介護職の夜勤は実はメリットも多く、一人夜勤ができる施設のほうを好む人もいます。
介護の夜勤で一人勤務するメリット・デメリット
では、介護の夜勤で一人勤務するメリットはどんなところにあるのでしょうか。また、逆にデメリットとしてはどんなことが考えられるのでしょうか。それぞれ見ていってみましょう。
介護の夜勤で一人勤務するメリット
自分のペースで仕事がしやすい
昼間賑わっている施設でも、夜勤の時間帯は利用者も寝ていることが多く、トラブルがなければ自分のペースで仕事を進めることができます。仕事の段取りなどについて他のスタッフに合わせる必要もないため、自分の好きな方法で作業できるでしょう。
ただし、勤務中に終わらせなければならないこともありますので、逆算しながら計画的に業務を進める必要があります。
人間関係の悩みが減る
昼間は利用者が活動している時間帯のため、多くのスタッフが必要となります。しかしその分、そりが合わない同僚がいることも。
また、夜勤においても複数人体制の場合、夜通し気が合わないスタッフと時間を共にしなければならないこともあり、業務の進め方や休憩時間の過ごし方などに干渉されて不快な気持ちを味わったことがある人も少なくないようです。
その点、一人勤務なら誰かに干渉されることなく業務を進められるので、人間関係でストレスを感じることはありません。
空き時間を好きに使える
一人しかいないためバタバタしてしまうように思われる一人夜勤ですが、実は仕事が少ない時間帯もあります。施設の定期巡回や利用者の排泄介助、記録などが終われば、何事もない限り自由に過ごすことが多いようです。
なお、眠れない利用者のお話を聞いたりするのも夜勤の仕事の一つです。日中には聞けない本音を聞けるチャンスでもあります。ゆっくりと一対一で会話ができる夜こそ、より利用者への理解が深まり、快適な日々のケアを提供できるようになるでしょう。
介護の夜勤で一人勤務するデメリット
全ての業務を自分一人で対応する必要がある
当然ですが、すべての業務を自分一人で対応する必要があります。日中は複数名のスタッフでおこなう業務や介助も、一人夜勤では自分だけでおこなわなければなりません。
ナースコールやセンサーコールが同時に鳴ることもしばしばあるうえ、昼夜逆転傾向の利用者の不眠や認知症の方の徘徊など、一晩中対応しなければならないこともあります。
一度に対応できる範囲は限られているため、利用者を待たせてしまうこともあるでしょう。待たせすぎて失禁などで服を汚してしまうと、着替えや洗濯などの業務が増えてしまいます。
緊急時に冷静な判断力が求められる
緊急時にいかに冷静な判断ができるかは、一人夜勤に求められる最も重要なスキルです。どんな状況でも冷静沈着に対応し、トラブルや容体の急変、災害などを乗り越えなければいけません。
こういったことがプレッシャーとなり、知らず知らずのあいだにストレスを抱えてしまう方も少なくありません。
必ず仮眠を取れるとは限らない
介護の一人夜勤では、落ち着いて休憩できる時間が毎回決まって訪れるわけではないため、必ず仮眠を取れるとは限りません。特に忙しい時は休憩時間すら確保できないこともあるようです。
仮眠を取れると思っていたら、まったく取れなかったということもしばしばあります。
介護の夜勤で一人勤務する時の仕事内容は?
介護夜勤の仕事内容は、2交代制と3交代制で異なります。ここでは、2交代制の一人夜勤の仕事内容をご紹介します。
就寝前の仕事内容
夜勤で最も忙しい時間帯であり、慣れるまでは大変かもしれません。主な仕事内容は以下の4つです。
日勤スタッフからの引継ぎ
出勤後にまずおこなうのは、日勤のスタッフからの引継ぎです。日中の様子や特筆事項、翌朝までにすべきことなどを日勤のスタッフから引継ぎます。その後に夕食の準備になるため、最も忙しい時間帯の一つです。
夕食の準備・介助
夕食の準備をし介助をおこないます。必要な介助の程度は利用者ごとに異なります。食事はただ食べさせればよいというわけではなく、利用者としっかりとコミュニケーションを取らなければいけません。日々のコミュニケーションがよりよい介助やケアにつながります。
夕食後、就寝時間までに歯磨きや着替えの介助へと進んでいきます。
服薬介助
利用者の中には決まった時間に決まった薬を決まった量を飲まなければならない方もいます。服薬介助はミスにより大きなトラブルを起こしかねませんので、急いでいる場合でも注意深くおこなう必要があります。
排泄介助
就寝前に排泄の介助をおこないますが、利用者によって介助の程度が異なります。また、起床時間だけではなく就寝時間にトイレに行きたくなる利用者もおり、就寝後にコールなどで呼ばれることもあります。
就寝後の仕事内容
就寝後の仕事内容で定期的におこなう必要があるのが、施設の巡回と安否確認。1~2時間おきに確認するのが一般的です。
また、就寝後は不定期な業務もしばしば発生します。たとえば、ナースコールが鳴ったらすぐに駆けつけて対応できるよう準備が必要です。また、巡回や深夜帯の排泄介助の合間に介護記録などの記入や書類作成、掃除などもおこないます。
なお、問題が起きたり緊急で対応したりすることがなければ、この時間帯に休憩や仮眠をとることも可能です。利用者が活発に活動しているわけではないので、比較的穏やかに過ごせる時間帯でもあります。
起床後の仕事内容
介護夜勤での難関業務の一つは起床介助です。朝5時を過ぎると起床する利用者が増えるため、ナースコールで呼ばれる回数が一気に増えます。起床介助を時間内に終わらせなければ、定時よりも朝食が遅れてしまいます。
起床介助といってもただ起こすだけではなく、歯磨きや着替え、おむつ交換、排泄介助などの業務はもちろん、バイタルチェックなどもあり、慌ただしい時間帯となります。
起床介助が終わったら、朝食準備・介助となります。夕食と同様、服薬介助も控えているので、いかに起床介助と朝食介助を効率よく進められるかが重要です。
そして、朝食介助の時間帯に日勤のスタッフが出勤してくるので、引継ぎを行ったら夜勤業務は終了です。なお、施設によっては朝礼への参加も業務に含まれます。
給与
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パート・アルバイト 日給 24,000円~24,000円 |
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勤務時間
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21:00~翌9:00 |
仕事内容
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府中市にある男性のご利用者様のお宅に訪問して身体介護、生活援助をお願いいたします。 (勤務時間:月曜日の21:00~火曜日の9:00) ※別室で仮眠もできます。 |
住所
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東京都 町田市 小山町2598-5 メゾンファミーユⅤ101 京王相模原線 多摩境駅 から徒歩6分 |
介護の夜勤。一人勤務の緊急時対応は?
夜勤の一人体制で最も心配なのは緊急時の対応ではないでしょうか。ここでは、一人勤務で緊急対応が必要になった場合の対応方法を解説します。
オンコールで看護師の指示を仰ぐ
緊急時に看護師や医師に電話連絡をすれば指示を仰ぐことができたり、医師にすぐ駆けつけてもらえたりする体制のホームが多くあります。これをオンコール体制と呼びます。また、看護師や医師だけでなく近隣に住むスタッフに駆けつけてもらえる体制の施設も多くあります。
夜勤スタッフが一名にも関わらずオンコール体制が取られていない施設は、厚生労働省が定めた「有料老人ホーム設置運営指導方針」の「利用者の実態に即し、夜間の介護、緊急時に対応できる数の職員を配置する」という条項に反しています。
一人で夜勤業務をおこなう施設への就職や転職を検討する際は、夜間の緊急時対応について事前に施設へ確認しておくことが大切です。いざという時に自分以外に対応できるスタッフを配備している体制かを見極めましょう。
命の危険性がある場合は救急車を呼ぶ
高齢者の方が多く入居している施設の場合、体調の急変や施設内で転倒して緊急搬送されるようなことが起こるのも珍しいことではありません。命の危険性がある場合は救急車を呼びましょう。
同時にオンコール体制下の医師や看護師・施設職員に連絡をします。時には救急車到着までに心臓マッサージなどの蘇生処置が必要になりますが、落ち着いて行動しましょう。
救急車の出動要請をする際には、まず119に電話をし、「救急車をお願いします」と伝えます。緊急搬送する方の年齢、性別、容体(状況・意識の有無・出血部位)などを報告し、次に施設の住所や電話番号を正確に伝えます。施設によって入口が複数ある場合は、どこの入口を使うかも伝えましょう。
緊迫した状態は、他の利用者にも緊張を与えてしまいます。自分が落ち着いて行動できなければ、パニックになってしまう方も出てしまうかもしれません。そのような状況にならないよう、まずは目の前の状況に落ち着いて対処することが大切です。
救急車がくるまでの準備
救急車が来るまで、以下の準備を進めておきましょう。
- バイタルサイン(血圧・SPO2)の測定
- 意識状態の確認、外傷・出血の有無など全身状態の観察
- 必要に応じAEDを使用
救急隊員が到着するまで、利用者の状態や経過を観察します。また、看護記録などの原本もしくはコピーを用意し、救急隊員に渡すか病院に持参します。
救急車を要請する際のマニュアルは施設ごとに用意されていますので、有事に備えて平時から確認しシミュレーションをしておくことが重要です。
介護の夜勤。一人勤務のタイムスケジュールや休憩・仮眠時間は?
ここでは、介護職の夜勤における一人勤務の休憩時間や仮眠時間について詳しくご紹介します。
介護の夜勤で一人勤務する時のタイムスケジュール例
介護夜勤の業務内容を先ほどご紹介しましたが、ここではタイムスケジュールの一例を解説します。
- 16時~17時:引継ぎ
出勤してすぐにおこなう業務は日勤のスタッフからの引継ぎです。施設によって引継ぎ方法は異なりますが、日中の利用者に起きた変化や注意点が主に共有されます。
- 17時~18時:夕食準備・食事介助
引継ぎ後、17時から18時にかけて夕食の準備や食事介助を始めます。
- 18時~20時:就寝のための準備(服薬介助・排泄介助・着替え・歯磨きなど)
「食事後何分以内に服薬が必要」など、服薬の時間が決まっている利用者もいらっしゃいます。食事介助が終了したら速やかに服薬介助をし、就寝に向けた介助を始めます。排泄介助や歯磨き、着替えも就寝前におこないます。
- 20時消灯~朝5時頃:1~2時間おき施設巡回・安否確認
消灯後は1~2時間ごとに施設を巡回します。全室を確認し、利用者に変わった点や急変はないかを確認します。必要に応じてトイレ誘導やおむつ交換などの排泄介助をおこないます。
また、この就寝時間帯に合間を見て休憩や仮眠をとります。介護記録の記入、整理整頓、掃除、事務作業もこの時間にできる業務ですが、ナースコールやコールマットが鳴ったらすぐに対応する必要があります。
- 5時~6時:起床介助
5時ごろになると起床する利用者が増えてきますので、5時~6時頃にかけて起床介助を始めます。着替えやトイレ介助、車いすへの移乗補助などを主におこないます。
- 6時~8時:朝食準備・食事介助・服薬介助
朝食を準備し、食事のサポートや服薬介助をおこないます。夕食時と同様、準備から食事介助、服薬介助をおこないます。
- 8時~8時30分ごろ:引継ぎ、退勤
夜間の情報や注意事項を日勤スタッフに共有し、退勤します。
介護の夜勤で一人勤務する時の休憩時間
介護夜勤で一人勤務する時の休憩時間は2交代勤務か3交代勤務よって異なります。
まず、日勤と夜勤の2つの勤務時間がある2交代勤務の場合、16時~翌9時といった16時間勤務など、長時間働くことがあります。
「16時間夜勤の場合、休憩時間を2~3時間取得することが望ましい」と日本看護協会は要望を出しています。3交代勤務には、日勤・準夜勤・深夜勤の3つの勤務時間があります。準夜勤は16時〜24時45分、深夜勤は24時〜翌8時45分などといった勤務体制となり、1時間程度の休憩時間を取ることが一般的です。
介護の夜勤で一人勤務する時の仮眠時間
前述の通り、日本看護協会では、16時間夜勤の場合は2~3時間の休憩時間が望ましいとの要望を出しています。
しかし、仮眠は休憩時間ではなく労働時間内に取ることになりますので、ナースコールで頻繁に呼び出されてしまうこともあるうえ、利用者の容体が急変した場合には緊急の対応をしなければなりません。
休憩時間の取得は労働基準法で定められた労働者の権利ではありますが、業務が立て込んでしまい仮眠が取れない現場も多いのが実状です。
特に一人勤務の場合はいわゆる「ワンオペ」になるため、食事やおむつ交換などの排泄介助、定期巡回やトラブル・緊急時対応、朝食の準備などの業務に追われることも珍しくありません。合間の時間を見つけ、なるべく体を休められるように心がけることが大切です。
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介護夜勤といっても、グループホームや小規模多機能型居宅介護施設などの小規模でアットホームな施設から特別養護老人ホームや老人保健施設などの大型施設までさまざまありますが、一人夜勤となるのは主に小規模施設です。
夜勤の給料などの条件面から職場を選ぶ方法もありますが、施設によって規模が異なるため、業務内容や働き方も変わってきます。夜勤の仕事を探す際には求人情報を細かくチェックして応募するようにしましょう。
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