介護職の夜勤は夜勤手当がつくため、収入アップを目指したい方におすすめです。しかし、希望すれば何度でも夜勤に入れるというわけではないことをご存知でしょうか。
この記事では、介護職の夜勤回数や夜勤専従の働き方、夜勤専従のメリット・デメリットなどについて詳しく解説します。
介護職における夜勤の法的な決まり
介護職では、病院や施設によって夜間帯に勤務する「夜勤」に従事する場合があり、夜勤の働き方に関してはいくつかの法的な決まりがあります。
変形労働時間制の適用
日勤と夜勤の2交代制の職場では、夜勤はおおよそ16時間勤務することになります。しかし、労働基準法では1日の労働時間は8時間までと定められていますので、本来であれば16時間にも及ぶ夜勤の働き方は認められません。にもかかわらずこのような働き方が実現しているのは、「変形労働時間制」が適用されているからです。
変形労働時間制とは、1週間あたりの労働時間が40時間以内であれば1日8時間を超える業務が可能となる制度です。夜勤は一回の拘束時間が長くなりますが、夜勤明けや休日を調整することで変形労働時間制の時間内に収めればよいということになります。
また、変形労働時間制には特例が設けられており、多くの介護職が働いている病院や社会福祉施設などは「特例措置対象事業場」に該当します。特例措置対象事業場に該当する職場は、変形労働時間制の1週間あたりの労働時間が44時間まで緩和され、通常の変形労働時間制よりも長時間の労働が可能です。
育児や介護を担う者は深夜労働の制限規定も
ご家庭で育児や介護をしなければならない方に対しては、深夜労働の制限が可能です。対象者は次の条件に当てはまる方となります。
- 小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者
- 要介護状態にある対象家族を介護する労働者
いずれかの条件に該当する方は、深夜労働の制限を開始する日の1ヵ月前までに書面等にて事業主に請求しましょう。ただし、事業主が事業の正常な運営を妨げると判断した場合、事業主は請求を拒否できることには注意が必要です。
また、次の条件に当てはまる方は、対象外となってしまいます。
①日々雇用される労働者
②入社1年未満
③保育又は介護ができる次のi~iiiに該当する16歳以上の同居の家族がいる労働者
i. 深夜に就労していないこと(深夜の就労日数が1か月につき3日以内の者を含む)
ii. 負傷、疾病又は心身の障害により保育又は介護が困難でないこと
iii. 最善6週間(多胎妊娠の場合は14週間)、産後8週間以内の者でないこと
④1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
⑤所定労働時間の全部が深夜にある労働者
請求するときには、事前に自分が対象者となるのか確認しておきましょう。
夜勤協定が締結されている場合も
職場によっては夜勤協定を締結している場合があります。夜勤協定とは、事業主と労働者の間で一ヵ月単位で夜勤に関する基準を定めたものです。一ヵ月の夜勤回数の上限や一回の夜勤に就く人数など、夜勤に関するさまざまなルールが取り決められます。
介護職の夜勤回数は、現在のところ労働時間による制限はありますが、回数の制限はありません。つまり、労働時間内であれば何回夜勤に就いても法的には問題となりませんので、介護士に負担を強いる勤務形態となってしまう可能性があります。
さらに、はじめは夜勤に入らない勤務形態だと聞かされていたにもかかわらず、後々夜勤を指示されるケースもあり、トラブルにつながるケースも少なくありません。そのため、夜勤協定であらかじめ夜勤に関するルールづくりをしておき、夜勤に関するトラブルを回避しているのです。
2020年介護施設夜勤実態調査結果によると、回答があった127施設のうち79施設、62.2%の施設で夜勤協定が結ばれているとされています。夜勤がある職場に就職を検討する際には夜勤協定の有無を確認しておくとよいでしょう。
月の夜勤回数は勤務形態によっても変動
月の夜勤回数は勤務形態によって異なります。ここでは、夜勤専従や2交代制勤務、3交代制勤務における夜勤回数を詳しく見ていきましょう。
夜勤専従の場合
夜勤専従とは、文字通り夜勤だけをおこなう勤務形態です。現在のところ夜勤の回数を定めた法律はありませんが、夜勤専従の場合、月の夜勤回数は多くとも月に10回前後になります。なぜ10回前後になるかというと、変形労働性の適用により病院や介護施設などは特例措置対象事業場に該当するため、1週間の勤務時間が44時間以内と定められているからです。
一般的な2交代制の夜勤であれば、一回の夜勤は16時間勤務になります。一週間あたり44時間以内に勤務時間を抑えなければならないということは、1週間に勤務できるのは2日ということになります。暦次第ではありますが、そこから換算すると1ヵ月に夜勤ができる回数は多くても10回前後となるのです。
ただし、3交代制の勤務先では一回あたりの勤務時間は少なくなるため、よりも多く夜勤に入れます。
2交代制勤務の場合
2020年介護施設夜勤実態調査結果によると、2交代制勤務の夜勤の場合は月あたりの夜勤出勤回数は4回以上が最も多く、76.1%となっています。つまり、多くの介護施設では月に4回以上夜勤があることになります。
夜勤の回数はグループホームや短期入所施設で多くなる傾向にあります。グループホームの平均夜勤回数は月に4.9回、短期入所施設の平均夜勤回数は月に4.6回と報告されています。
3交代制勤務の場合
こちらも2020年介護施設夜勤実態調査結果によると、3交代制勤務の夜勤の場合、月あたりの夜勤出勤回数は6日以下が60.8%で最多となっています。一方、月に9日以上夜勤する方の割合は13.8%となっています。
3交代制勤務の夜勤は2交代制の職場に比べて一回あたりの勤務時間が短くなるため、夜勤に入る回数が多い傾向です。勤務時間が減ったことにより夜勤に入れる回数が増え、最多日数が20日を超える施設も報告されています。
このように、月の夜勤回数は勤務形態によってさまざまなパターンに分かれます。就職先を選ぶ際には、勤務形態が夜勤の回数に影響することを忘れずに選びましょう。
給与
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パート・アルバイト 日給 24,000円~24,000円 |
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勤務時間
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21:00~翌9:00 |
仕事内容
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府中市にある男性のご利用者様のお宅に訪問して身体介護、生活援助をお願いいたします。 (勤務時間:月曜日の21:00~火曜日の9:00) ※別室で仮眠もできます。 |
住所
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東京都 町田市 小山町2598-5 メゾンファミーユⅤ101 京王相模原線 多摩境駅 から徒歩6分 |
介護職における夜勤専従という働き方
夜勤専従は、日勤業務は担当せずに夜勤だけに従事する働き方です。具体的にどのような働き方になるのでしょうか。ここでは、介護職における夜勤専従の仕事内容や勤務時間、メリット・デメリットについて解説します。
夜勤専従の仕事内容
夜勤専従の仕事内容は主に以下の通りです。
- 夕食介助
- 排泄介助
- 口腔ケア
- 更衣介助、就寝準備
- 夜間見回り
- 起床介助
- 朝食介助
- 介護記録
まず、出勤したら日勤のスタッフから業務を引き継ぎます。日中の利用者の状態や連絡事項など、必要な情報を漏れなく引き継ぐことが大切です。
引き継ぎが終わったら、夕食の準備や介助などをおこないます。介護業務は利用者の介護レベルによって内容が変わってくるため、利用者に合わせて柔軟に対応することがポイントです。
夕食後は、就寝までに排泄介助や口腔ケア、更衣介助などをおこなっていきます。就寝時間までに利用者全員の介助をしなければならないため、テキパキと効率的に業務を進めていくことが求められるでしょう。
就寝後は、一度業務が落ち着きます。利用者からのコール対応、施設内の見回りなどが主な業務です。この時間帯に休憩を取ったり、日勤へ引き継ぎをするための介護記録を作成したりしましょう。
起床時間になったら起床介助をおこない、必要に応じて排泄介助や更衣介助、朝食の準備をします。最後は日勤のスタッフに夜勤中の情報を引き継いで終了です。
夜勤は日によって業務が落ち着いている日もあれば、利用者の急変やトラブルなどで忙しくなる日もあります。
夜勤専従の勤務時間
前述の通り、夜勤専従の勤務時間は2交代制勤務の職場と3交代制勤務の職場で異なります。
2交代制勤務は日勤と夜勤の2つのパターンにわかれている勤務形態です。一般的な2交代勤務の夜勤は17:00〜9:00の16時間勤務となります。3交代制の勤務は昼・夕方・夜の3つのパターンに分かれており、夜勤は22:00〜7:00などの9時間勤務となります。
労働基準法では、8時間を超える業務の場合は少なくとも1時間の休憩が必須です。そのため大抵の職場では、2交代制勤務では2時間、3交代制勤務では1時間の休憩が設けられています。
夜勤専従は資格が求められることが多い
夜勤専従で働く場合は介護に関連した資格を求められるケースが多くあります。なぜなら、夜勤は日勤よりもスタッフの数が少なく、介護士にかかる負担が大きいからです。
また、夜間帯は利用者の急変が起こる可能性も高くなり、迅速に対応する能力や知識、経験が必要となってきます。実際、夜勤専従の求人は介護に関連した資格を持っている方だけを募集する職場も少なくありません。
夜勤専従で働きたいと考えている方は、介護初任者研修や介護福祉士などの資格を取得しておくと就職時に有利となるでしょう。
夜勤専従のメリット
夜勤専従のメリットは次の3つが挙げられます。
夜勤手当がもらえる
夜勤をすると基本給とは別に夜勤手当がもらえ、給料が高くなります。夜勤手当は施設や勤務形態によって金額が異なり、2交代制の夜勤手当の平均額は6,632円です。手当が高い施設では最高で12,900円の手当が出る施設もあります(2020年介護施設夜勤実態調査結果より)。
介護職は給料が低いといわれていますが、夜勤専従で夜勤手当が加算されれば給料アップも可能なのです。
仕事と仕事の間のプライベートな時間が長い
夜勤は一回の拘束時間は日勤よりも長いですが、夜勤明けの日とその次の日が休みになる場合が多くなっています。したがって、一回仕事をしてから次の仕事までプライベートの時間を長く確保できます。その時間を活かして旅行をしたり副業をしたりと、比較的自由に時間を使えるでしょう。
日勤と夜勤どちらもある人よりも生活リズムを作りやすい
日勤と夜勤どちらのシフトにも入る人はどうしても生活リズムが崩れやすくなります。しかし夜勤専従であればシフトが夜勤に限られているため、生活リズムをつくりやすいでしょう。
また、通勤時間や休日が一般的な日時とずれるため、普段混雑しているような人気のお店やレジャーにも出かけやすくなります。
夜勤専従のデメリット
一方、夜勤専従のデメリットは大きく次の2つが挙げられます。
身体に悪影響を及ぼす可能性がある
夜勤に従事することで健康に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。これまでの報告では、乳がんや前立腺がん、睡眠障害、メタボリック症候群などの発症リスクが高まるともいわれています。夜勤によって睡眠時間が十分に取れないことや生活リズムの乱れがもとでこのような身体への悪影響につながる可能性があります。
夜勤をする方は、空いている時間でしっかりと睡眠を取ったり休みの日に運動をしたりするなどして体調を管理することが大切です。
家族や友人と予定が合わせにくい
夜勤専従になると通常の日勤業務で働いている人と予定を合わせにくくなります。家族や友人との時間を大切にしている方に、とっては大きなデメリットとなるでしょう。
予定が合わせられずに孤独を感じるようになると精神的にストレスがかかり、うつや不安傾向が強くなる可能性も報告されています。休日は家族で過ごせるように調整したり、夜勤で働く友人をつくったりといった工夫をしましょう。
施設による夜勤専従の働き方の違い
入居されている利用者の特徴は施設によって異なるため、夜勤専従の働き方も施設によって異なってきます。ここでは、施設による夜勤専従の働き方の違いについてご紹介します。
有料老人ホーム
有料老人ホームは、食事や介護、健康管理などのサービスを提供する施設です。提供するサービスによって、介護付きや住宅型、健康型などさまざまな種類があり、介護職の業務もその種類によって異なります。
介護付き有料老人ホームは介護サービスを重視しているため、介護業務が多いことが特徴です。住宅型や健康型は比較的自立されている方が多いため、実際に介助する業務よりも見守りや促しなどの業務がメインとなります。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、基本的に要介護3以上の認定を受けた方を受け入れる施設です。一定の介護度が入所条件となっていることから、介護が生活に欠かせない方が利用されます。そのために介護業務も必然的に多くなるでしょう。
老人保護施設
老人保護施設は要介護状態の高齢者を受け入れる施設です。介護サービスもおこなわれますが、自宅に戻るためのリハビリテーションが中心となります。
自宅への復帰を目的としているため、原則として老人保護施設の入居期間は3〜6ヵ月です。看護師が夜間に常駐している施設もあり、夜間の急変時には看護師に相談できるメリットがあります。
グループホーム
グループホームは認知症の高齢者が共同生活を送る住宅型の介護施設です。入居されている方は認知症ではありますが、行動は自立されている方が多く、業務的には介護というよりも援助が中心となります。
デイサービス(お泊りデイ)
デイサービスは要介護状態になった高齢者が通所してサービスを受ける施設です。基本的には日帰り利用する施設ですが、宿泊できる「お泊まりデイ」と呼ばれるサービスをおこなっている施設もあります。
ただし、お泊まりデイのサービスは申請がなければできないので、デイサービスで夜勤専従として働くのは難しいでしょう。
自分に合った働き方を選択しよう
ここまで夜勤専従の働き方についてお伝えしましたが、仕事は自分に合った働き方を選択することが重要です。最後に、自分に合った働き方を選ぶポイントを見ていきましょう。
夜勤のない施設や職場もある
病院や介護施設に就職したからといって、必ずしも夜勤があるわけではありません。施設や職場、勤務形態によっては夜勤がないこともあります。
たとえばデイサービスや訪問介護などは基本的に日中での対応となるため、原則的に夜勤はありません。夜勤で働きたいと考えている方は、職場に夜勤業務があるかを事前に確認しておきましょう。
パートや派遣社員なら夜勤を回避することも
夜勤で働きたくないと考えている方は、パートや派遣社員であれば日勤だけの契約にすることで夜勤を回避できます。パートや派遣社員なら、自分の働ける時間帯で自由に働けるでしょう。
しかし、夜勤や早番、遅番などの時間帯に働ける方のほうが需要は高いため、必ずしも働きたい職場に採用してもらえるとは限りません。
夜勤専従でしっかり稼ぐというのもあり
夜勤には手当がつくため「稼ぎたい」と考えている方にはおすすめです。夜勤専従であれば生活リズムの崩れもないため、安定して働けます。また、ずっと夜勤専従として働かなくとも、一定期間だけ夜勤専従として仕事をし、その期間でしっかり稼ぐという働き方もありでしょう。
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