介護の夜勤専従とは?仕事内容や勤務時間、施設ごとの月収例を紹介

介護の夜勤専従とは、介護職において夜勤の時間帯のみ働くことです。夜勤専従で働くほうが日勤の時間帯に働くよりも高い給料で働くことができます。

この記事では、夜勤専従の仕事内容や勤務実態、メリット・デメリット、月給の目安などを解説します

目次

介護の夜勤専従とは?

夜勤の時間帯のみ働く介護の夜勤専従と日勤の介護職では、仕事内容や働き方が異なります。まずは介護の夜勤専従の仕事内容や勤務時間、月の出勤回数を解説します。

夜勤専従の仕事内容

夜勤専従と日勤では仕事内容で大きく異なる点が3つあります。

  • 施設や利用者の見回り
  • 就寝・起床準備の介助
  • レクリエーションなどの業務がない

1つ目は施設の見回りです。深夜に体調を崩す利用者がいた場合のため、全室異常がないか確認して回ることは夜勤業務に欠かせない仕事です。また不審者がいないかなど施設内の見回りも定期的におこないます。

2つ目には、利用者の方の就寝・起床準備の介助業務があります。夜勤専従として働く時間帯は利用者が寝ている時間帯ですが、自身で寝る準備や起きることができない利用者もいらっしゃいます。そうした利用者に対し、就寝準備や整容など起床準備のための介助業務をおこないます

最後に、夜勤専従の仕事内容にはレクリエーションなどの業務がありません。そのためイレギュラーな業務が発生しづらく、定例業務に集中しやすくなります。

夜勤専従の勤務時間

夜勤専従の勤務時間には、「ロング夜勤」と「ショート夜勤(準夜勤)」の2種類があります。実働時間は施設によって異なりますが、ロング夜勤では16時間勤務、ショート夜勤では8時間勤務と勤務時間や拘束時間が異なります

介護業務のシフトは2交代制と3交代制が一般的ですが、2交代制を採用する施設の場合の夜勤シフトがロング夜勤、3交代制の夜勤シフトがショート夜勤となっています。

休憩時間は、ロング、ショートとも一時間程度の施設が多いようです。しかし、夜勤専従スタッフを一人しか配備しない施設も少なくありませんが、そのような施設では夜勤中に休憩が取れないこともしばしばあるようです。

休憩時間をしっかり確保したい場合は、夜勤スタッフを2名以上配備している施設や職員用の仮眠室がある施設を選びましょう。

夜勤専従の出勤回数

日勤専従の業務の場合は働き方の制限がないため月に20回程度出勤する仕事が一般的ですが、介護夜勤の専従スタッフの場合、出勤回数は最大で月10~11回程度、つまり週2~3回のペースとなります

夜勤明けは休みとなることが多く、連日で働くことはないため出勤回数は限られますが、夜勤明け後はしっかりと休むことができるため、連休のような気分を味わうことができます。

夜勤専従のタイムスケジュール例

就業する施設や職場によって業務スケジュールは異なりますが、一般的な夜勤専従の業務スケジュールは以下のようになります。

16:00 出勤:日勤スタッフから業務の引継ぎ、状況に応じてサポート業務

17:00 食事準備・介助、服薬介助

18:00 口腔ケアなど。自由時間

20:00 就寝準備、おむつ交換、トイレ介助

22:00 消灯

23:00 見回り、おむつ交換、トイレ介助、寝返りサポート

24:00 事務作業・整理整頓

01:00 休憩・仮眠

03:00 見回り、おむつ交換、トイレ介助、寝返りサポートなど

05:00 起床準備、着替え・身だしなみサポート、トイレ介助など

06:00 バイタル測定、朝食準備

07:00 食事介助、服薬介助

08:00 口腔ケア、朝食片付け

09:00 介護記録の作成、日勤スタッフへの引継ぎ

10:00 退勤

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介護の夜勤専従のメリット

では、介護の仕事において夜勤専従で働く場合のメリットはどのようなところにあるのでしょうか。

高収入を得やすい

介護の夜勤専従の最大のメリットは、高収入を得やすいことです。

介護夜勤には手当がつくため日勤業務よりも給与が増えます。一回あたりの夜勤業務の手当の相場は4,000〜8,000円程度です。月10回夜勤業務をおこなえば、基本給に月給額が40,000円~80,000円程度が上乗せされます。パートスタッフであっても22時~5時の時間帯は時給が25%以上割増されます。

生活リズムが一定

介護夜勤は生活リズムが乱れて大変なイメージを持っている方もいらっしゃると思いますが、夜勤専従の場合は就業時間が一定であるため、生活リズムは安定しやすくなります。

休日が多い

介護夜勤は拘束時間が長いため、勤務日の翌日は夜勤明けで休み、その翌日は公休日とする施設が多くあります。そのため月10回~11回が最大勤務日数となることが多く、休日の方が多くなります。夜勤明けの日と翌日の休みを活用し休息をとることで、しっかり体内時計を戻すことができます。

ダブルワークも可能

夜勤専従により増えた休日を利用してダブルワークをすることも可能です。ただし、特に正社員で就業する場合、ダブルワークが認められているかは施設の規定によって異なりますので事前に確認しましょう。

また、夜勤明けを休みにしている施設が多い理由は、夜勤業務にかかる身体的な負担に配慮するためです。無理にダブルワークをして体調を崩したり、夜勤専従の業務に支障をきたしたりしては意味がありません。

日勤より業務量が少ない

夜勤の時間帯は介護スタッフが少ないぶん、業務に追われ忙しいイメージがあります。しかし、勤務時間の多くは入居者が就寝している時間であり、ナースコールやトラブルが少ない日には落ち着いて過ごせる時間もあります。

またレクリエーションなどがないため日勤よりも業務が少なく、自分のペースで仕事ができる時間が多くなります。しかし、施設によって業務内容や夜勤スタッフの配備体制も異なるので、求人に応募する際は必ずその体制をチェックしましょう。

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給与
パート・アルバイト 日給 24,000円~24,000円
勤務時間
21:00~翌9:00
仕事内容
府中市にある男性のご利用者様のお宅に訪問して身体介護、生活援助をお願いいたします。
(勤務時間:月曜日の21:00~火曜日の9:00)
※別室で仮眠もできます。
住所
東京都 町田市 小山町2598-5 メゾンファミーユⅤ101
京王相模原線 多摩境駅 から徒歩6分

介護の夜勤専従のデメリット

続いて、介護夜勤専従のデメリットも見てみましょう。

生活が昼夜逆転になる

1つ目のデメリットは、昼夜逆転の生活リズムになることです。

夜勤専従の場合、勤務時間が一定することから生活リズムは安定しますが、昼夜逆転してしまうことには変わりません。家族や知人・友人との生活リズムが合わせづらいことはどうしてもデメリットとなってしまいます。

体調を崩しやすい

生活が昼夜逆転になることに関連して体調を崩しやすいことも介護夜勤のデメリットです。夜中心の生活にどんなに慣れたとしても、ちょっとした原因で体調不良になる可能性があります。

介護業界の夜勤専従スタッフは慢性的な人手不足です。そのため、夜勤専従の人が体調不良で休んでしまうと日勤スタッフのシフトを調整する必要があります。自分以外のスタッフにも負担をかけるプレッシャーもあり、緊張感をもって働くスタッフが多いのも事実です。

常に体調管理に気を配らなければならない点は、夜勤専従において大きな負担となるでしょう。

少人数制で責任が大きい

日勤の時間帯は多くのスタッフで賑わっている施設でも、夜勤の時間帯になるとスタッフの人数を絞る施設が少なくありません。中には一人で夜勤をおこなう施設もあります。

一人で夜勤をおこなう場合、自分一人ですべての業務に対応しなければなりません。日中であれば複数名のスタッフでおこなっている業務や介助も、一人夜勤の場合は自分一人でおこなうことになります。そのため自らにかかる責任が大きくなり、精神的な負担となる場合があります。

施設によってはハード

介護夜勤はどうしても少人数になるため、施設によってはハードな場合があります。特に一人夜勤の場合は落ち着いた時間が毎日決まって訪れるわけではありません。ナースコールやセンサーマットが頻繁に鳴る日は休憩時間すら確保できないこともあるようです。

緊急対応が必要な場合も

利用者の容体の急変や災害時などには緊急対応を要することもあり、冷静な判断力と行動力が求められます。自分は冷静沈着に対応できると考えている方でも、緊急事態に見舞われると思ったような行動が取れない場合もあります。

自分一人で緊急事態に対処できるか不安な場合は、複数人の夜勤スタッフを配備している施設を選ぶようにしましょう。

介護の夜勤専従の月収例

日勤業務に比べ高収入が見込める介護の夜勤専従。では実際の月収はどれぐらいになるのでしょうか。厚生労働省が発表した「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」をもとに、その例をご紹介します。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは「介護老人福祉施設」とも呼ばれ、要介護3以上の介護度が高い方が入所する施設です。

正規職員(正社員の場合)

正規職員(正社員)として特別養護老人ホームに働く場合、月の平均給与額は361,890円、平均年収は約434万円となっています。特別養護老人ホームでは利用者の介護度が高く、身体介護が業務の大半を占めます。そのため平均給与額や年収は他の施設よりも高くなっていることが特徴です。

非正規職員(パート・アルバイトの場合)

非正規職員(パート・アルバイト)として特別養護老人ホームで働く場合、時給は約1,360円、平均給与額は147,470円となっています。

介護老人保健施設

介護老人保健施設は、自宅での生活に戻ることを目指しリハビリや医療ケアを受けて過ごす介護施設です。

正規職員(正社員の場合)

正規職員(正社員)として介護老人保健施設で働く場合、月の平均給与額は350,380円、平均年収は約420万円となっています。

非正規職員(パート・アルバイトの場合)

非正規職員(パート・アルバイト)として介護老人保健施設で働く場合、時給は約1,399円、平均給与額は153,230円となっています。

介護付有料老人ホーム

介護付有料老人ホームには介護不要でも入居可能な施設も多くあり、介護度が低いことが特徴です。

正規職員(正社員の場合)

正規職員(正社員)として介護付有料老人ホームで働く場合、月の平均給与額は339,510円、平均年収は約407万円となっています。

非正規職員(パート・アルバイトの場合)

非正規職員(パート・アルバイト)として介護付有料老人ホームで働く場合、時給は約1,391円、平均給与額は148,070円となっています。

訪問介護事業所

訪問介護事業所には大きく分けて自宅向けと集合住宅用への訪問介護サービスの2つの種類があります。

正規職員(正社員の場合)

正規職員(正社員)として訪問介護事業所で働く場合、月の平均給与額は314,440円、平均年収は約377万円となっています。

非正規職員(パート・アルバイトの場合)

非正規職員(パート・アルバイト)として訪問介護事業所で働く場合、時給は約1,621円、平均給与額は115,290円となっています。

グループホーム

グループホームは認知症の高齢者向けの施設で、アットホームな空間であることが特徴です。

正規職員(正社員の場合)

正規職員(正社員)としてグループホームで働く場合、月の平均給与額は303,800円、平均年収は約364万円となっています。

非正規職員(パート・アルバイトの場合)

非正規職員(パート・アルバイト)としてグループホームで働く場合、時給は約1,403円、平均給与額は144,140円となっています。

通所介護事業所

通所介護事業所(通称デイサービス)は、自宅に住む高齢者が日中を過ごし孤立感を解消することを目的とした施設です。

正規職員(正社員の場合)

正規職員(正社員)として通所介護事業所で働く場合、月の平均給与額は294,980円、平均年収は約354万円となっています。

非正規職員(パート・アルバイトの場合)

非正規職員(パート・アルバイト)として通所介護事業所で働く場合、時給は約1,253円、平均給与額は118,700円となっています。

通所リハビリテーション事業所

通所リハビリテーション事業所(通称デイケア)は、リハビリの必要性や医療ケアが必要な方が通う施設です。病院や診療所などが運営している施設では介護職以外に医師や看護師などの医療従事者、理学療法士、作業療法士などさまざまなスタッフが勤務しています。

正規職員(正社員の場合)

正規職員(正社員)として通所リハビリテーション事業所で働く場合、月の平均給与額は315,020円、平均年収は約378万円となっています。

非正規職員(パート・アルバイトの場合)

非正規職員(パート・アルバイト)として通所リハビリテーション事業所で働く場合、時給は約1,288円、平均給与額は135,860円となっています。

小規模多機能型居宅介護

小規模多機能型居宅介護はデイサービスを中心にした複合型サービスの施設です。「訪問介護」や「泊まり」も可能で、比較的新しいタイプの施設です。

正規職員(正社員の場合)

正規職員(正社員)として小規模多機能型居宅介護で働く場合、月の平均給与額は303,760円、平均年収は約368万円となっています。

非正規職員(パート・アルバイトの場合)

非正規職員(パート・アルバイト)として小規模多機能型居宅介護で働く場合、時給は約1,277円、平均給与額は122,120円です。

介護療養型医療施設

介護療養型医療施設は、要介護度の高い方が医療処置やリハビリを受けられる施設です。医療処置に対応する施設のため、介護スタッフだけでなく看護師が他の施設より多く配置されていることが特徴です。

正規職員(正社員の場合)

正規職員(正社員)として介護療養型医療施設で働く場合、月の平均給与額は329,850円、平均年収は約396万円となっています。

非正規職員(パート・アルバイトの場合)

非正規職員(パート・アルバイト)として介護療養型医療施設で働く場合、時給は約1,316円、平均給与額は152,880円となっています。

介護医療院

介護医療院は、医療機能と生活施設の両方を備えた施設です。介護と長期的な医療の両方を必要とする高齢者が利用しています。

正規職員(正社員の場合)

正規職員(正社員)として介護医療院で働く場合、月の平均給与額は323,950円、平均年収は約388万円となっています。

非正規職員(パート・アルバイトの場合)

非正規職員(パート・アルバイト)として介護医療院で働く場合、時給は約1,273円、平均給与額は136,730円となっています。

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