介護夜勤は何してるの?具体的な仕事内容を詳しく紹介

 

介護夜勤と聞いてどんな仕事を思い浮かべますか? その現場を実際に目にしたことがない方や、これから介護夜勤に就いてみようという方にとっては、どのような業務が日々おこなわれているのか気になりますよね。

この記事では、そんな方に向けて、介護夜勤の仕事内容について詳しく解説します

介護夜勤の勤務形態や仕事内容は?

介護夜勤といってもっその業務内容や勤務形態はさまざまで、施設によって何をするかも変わってきますが、ここでは代表的な例をお伝えします。

介護夜勤の勤務形態

勤務時間

施設では24時間体制での介助が求められ、2交代制や3交代制のシフトが組まれています。施設によって違いもありますが、2交代制は夕方から翌朝の9時頃までの勤務で拘束時間は16時間です。日本の介護施設の約9割が2交代制です。

一方、3交代制は22時~翌朝7時の9時間など、2交代制に比べ拘束時間が短くなっています。

出勤回数

日本医療労働組合連合会が2020年に発表した「介護施設夜勤実態調査結果」によると、介護施設全体の2交代制と3交代制の勤務実態は以下のようになっています。

2交代制勤務の夜勤回数(2020年)

平均夜勤回数 最多夜勤回数
4.3回 14回

3交代制勤務の夜勤日数(2019年)

平均夜勤日数 最多夜勤日数
5.8日 22日

 

2交代制勤務の平均夜勤回数は4.3回ですが、同調査によると5〜6回の割合が高い施設も見られます。一方、3交代制勤務の平均夜勤日数は5.8日ですが、同調査によると7〜9日の割合が高い施設も見られます。

2交代制では「回数」となっているのに対し3交代制で「日数」となっているのは、2交代制のほうは拘束時間が16時間程度と長いため、同じ1勤務でも比較の際のスケールを分けているためと考えられます。

休憩時間

労働基準法では、1日の労働時間が6時間を超える場合には45分以上、労働時間が8時間を超える場合には1時間以上の休憩を与えることが義務付けられています。そのため、ほとんどの介護施設では夜勤時に1時間以上の休憩を取ることができます。

仮眠時間

夜勤の介護では、施設によっては休憩時間以外に仮眠時間が設けられています。「介護施設夜勤実態調査結果」によると、休憩時間と仮眠時間の合計時間の平均は以下のようになっています。

休憩時間と仮眠時間の合計時間の平均(2020)

介護2交代制勤務 2時間28分
介護3交代制勤務 1時間7分

仮眠時間だけでどれくらいの時間が確保されているのか、この調査結果だけでは知ることはできませんが、2交代制のほうが3交代制よりも2倍以上の時間が休憩あるいは仮眠のために確保されていることがわかります。

また、比較的規模の大きな介護施設では施設内に仮眠室が設けられていることもあります。

夜勤スタッフ数

夜勤スタッフの人数は、介護施設の種類に応じて厚生労働大臣が定めています。たとえば特別養護老人ホームであれば、ユニット型か従来型かによって夜勤スタッフの数が以下のように定められています。

施設の種類 入居者数 夜勤配置スタッフ
特別養護老人ホーム (ユニット型) 2ユニットごと 1人以上
 

 

 

 

特別養護老人ホーム (従来型)

25人以下 1人以上

 

26人以上60人以下 2人以上

 

61人以上80人以下 3人以上
81人以上100人以下 4人以上
101以上 (4人+入居者の100を超えた数が25人または端数を増すごとに1人)以上

 

 

介護夜勤の仕事内容

食事介助

食事は利用者の毎日の大きな楽しみの一つです。一人で食事ができない人には食事介助をおこないます。食事介助中には声かけをしたり、正しい姿勢で座れているかなどを確認します。

また、介助の際には利用者の真正面ではなく横に座り、介助用スプーンを使って無理なく食べさせます。食事が終わったら、利用者の食事摂取量や食事中の様子などを記録します。

服薬介助

服薬の管理は本来看護師がおこないますが、夜間に看護師が不在の施設では介護スタッフが内服介助をおこなうこともあります

具体的には、まず利用者の体調や姿勢を確認したうえで、利用者の薬とぬるま湯を用意します。次に、薬を飲むべき人の名前と顔が利用者と一致しているかを確認し、自力で飲める人にはそのまま渡し、自力で飲めない人に対しては介助スプーンで口に入れて飲み込む補助をします。

最後に、飲み込んだかどうかを確認するために口の中を確認し、お薬カレンダーなどにチェックを入れます。

トイレ介助

トイレ介助は、利用者をトイレへ誘導する、オムツを交換するなど、利用者によってやるべきことが異なります。就寝前やあらかじめ決められた時間におこなうのが一般的です。

また、夜間に利用者がコールでトイレ介助を求めることもあります。排泄の頻度は利用者によって違うため、柔軟に対応する必要があります。

就寝介助

就寝介助は、着替え、歯磨き、排泄、服薬などを含む就寝前の一連のルーティンのサポートのことをいいます。自力でベッドに移ることが困難な人に対してはその手伝いもします。体力が必要になりますが、スムーズに介助ができるよう利用者とのコミュニケーションをしっかり取りましょう。

安否確認

利用者が就寝した後は定期的に巡回をおこない、利用者の安否確認をする必要があります。利用者の居室に入り、眠れているかなどを確認します。

利用者によっては寝ている時に人が入ってくるのを嫌がる人もいますが、大事な仕事です。利用者の居室に設置したセンサーにより安否確認をしている施設もあります。

起床介助

起床介助は、利用者が起床時間にベッドから起き上がるのを手伝うことや、その後の排せつ、洗顔、着替えなど、朝の一連の支度を介助することをいいます。

また、利用者の顔色を確認したり、体温を測定することでその日の体調をチェックしたりします。日勤のスタッフに申し送りなどをする必要もあり、一日の中で最も忙しい時間帯の業務です。

緊急時対応

利用者の急な容体の悪化など緊迫する出来事が起きたときは迅速な対応が求められます。各施設には緊急時にどのような対応を取ればよいかが書かれたマニュアルがあるので、日頃からマニュアルに目を通し、もしもの時のためのシミュレーションをしておきましょう。

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給与
パート・アルバイト 日給 24,000円~24,000円
勤務時間
21:00~翌9:00
仕事内容
府中市にある男性のご利用者様のお宅に訪問して身体介護、生活援助をお願いいたします。
(勤務時間:月曜日の21:00~火曜日の9:00)
※別室で仮眠もできます。
住所
東京都 町田市 小山町2598-5 メゾンファミーユⅤ101
京王相模原線 多摩境駅 から徒歩6分

介護夜勤は施設によっても何してるか変わる?

介護の夜勤といってもその内容は施設によって仕事はさまざまです。ここでは5種類の施設において夜勤現場でどのような仕事があるのかを見ていきます。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホーム(特養)は、要介護度3〜5の人が入所している施設です。利用者の日常生活を支えるために24時間体制で介護サービスを提供しています。業務内容は、食事、入浴、排泄などの介助から、掃除、洗濯などの世話まで、生活全般に関わります。

夜勤の人員は日中よりも少ないですが、複数体制で夜勤業務にあたる施設がほとんどで、仮眠室が設けられている施設も多くなっています。比較的時間にゆとりがあり、スタッフ同士で話をする時間もあるようです。

介護老人保健施設

介護老人保健施設(老健)は、要介護度1〜5の人にリハビリ等のサービスを提供し在宅復帰を目指す施設です。在宅復帰を目指しているため、短期間の入居を前提としています。夜勤は複数体制をとっているところが多く、9割近くの施設においては看護師も配置されています。

在宅復帰を前提としているため、夜間おむつからポータブルトイレに切り替えたり、着替えを一人でおこななってもらうようにするなど、次第に自立した日常生活への移行を促します。

有料老人ホーム

有料老人ホームは大きく「住宅型」と「介護付き」に分けることができます。前者は主に自立した生活ができる人や要介護度が低い人が利用し、介護サービスの提供はありませんが、必要に応じて訪問看護事業者などを利用することになります。

一方、後者は主に要介護度が高い人が利用し、施設のスタッフが介護サービスを提供します。

主な入居者 サービス内容
住宅型有料老人ホーム ・自立した生活ができる人

・要介護度が低い人

・生活支援

・リハビリ

・レクリエーション

・必要に応じて訪問介護

介護付き有料老人ホーム ・要介護度が高い人 ・生活支援

・リハビリ

・レクリエーション

・介護

このように、利用者の要介護度や施設形態によって介護の必要性も変わってきますが、食事や生活支援、レクリエーション活動など共通の業務内容も存在します。

サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅は「サ高住」とも呼ばれます。利用者は身の回りのことを自分でできる人が多く、身体介護の業務はほぼないため、他の施設に比べて体力的に楽だとの声もあります。

施設によっては食事・生活支援サービスを提供したり、必要に応じて介護サービスを提供したりしているところもありますが、メインは安否確認と生活相談です。夜勤業務においては、緊急コールの対応、見回り、記録作成などがあります。

小規模多機能居宅介護

小規模多機能型居宅介護は「小多機」とも呼ばれ、要介護度の低い利用者が、住み慣れた地域で「通い」を中心に「訪問」や「宿泊」のサービスを組み合わせて利用できる施設です。

夜勤の業務は、宿泊の利用者に対して食事の提供、服薬確認、着替えの補助、生活介助(食事、入浴、排泄など)などのサービスを提供することがメインです。就寝後には見回り、緊急時の対応、記録作成などをおこないます。

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何してるか分かる!介護夜勤のタイムスケジュール例

介護夜勤では施設の種類や利用者の要介護度によって対応に違いはありますが、基本的な流れは同じです。実際の業務で何をしているか、タイムスケジュール例を交えて見てみましょう。以下は、2交代制の夜勤時の大まかなスケジュール表です。

時刻 スケジュール
16:00 申し送り
18:00 夕食介助
18:45 内服介助
19:30 トイレ介助
20:00 就寝介助
21:00 休憩
22:00 見回り
00:00 寝返りサポート
1:00 介護記録
3:00 仮眠
6:00 朝食介助
8:00 申し送り

申し送り(16:00)

出勤したらまず日勤の人からの申し送りを受けます。日中の利用者の様子や、何か変わったことがなかったかなどの情報をここで共有します。利用者の情報をしっかりと共有しておくことで、万が一夜勤中にトラブルや急変があった場合でも迅速な対応ができます。

夕食介助(18:00)

夕食の準備ができたら利用者を居室へ迎えに行きますが、その前にはトイレで排泄介助をおこないます。食事中にトイレに行きたくなると食べることに集中できなくなるため、食事前にトイレを済ませておきましょう。

食堂に到着したら、利用者・介助者ともに手洗いとアルコール消毒をします。一人で食べることができない利用者には食事の介助をおこないます。食事が終わったら居室まで誘導しますが、あとで介護記録を書くために、食べた食事の量や食事中の様子についてメモを残しておきましょう。

内服介助(18:45)

利用者が夕食後に飲まれる薬の種類と量を確認し、薬と一緒にぬるま湯を持って利用者の居室へ向かいます。「○○さん、今から夕食後のお薬を飲みましょうね」などと声をかけ、薬の袋に書かれている名前と利用者の名前が一致することを確認しましょう。服薬後は口を開けてもらい、ちゃんと飲み込めているかを確認します。

トイレ介助(19:30)

就寝時間が近づいてきたら利用者をトイレへ誘導し、排泄介助をおこないます。

トイレへ誘導し便座に座ったのを確認したら、排泄中には外で待機し、排泄が終わったら声をかけてもらうようにします。脱水症状を防ぐため、排泄後には水分を摂ってもらいますが、過剰に水分を摂りすぎないよう注意が必要です。

就寝介助(20:00)

就寝前の歯磨きやパジャマへの着替えの介助をおこない、その後ベッドへ誘導します。

利用者が車椅子を利用している場合は、車椅子のブレーキをかけた状態でフットレストとアームレストを外します。次にベッドを低く下げ、利用者の足をベッドと平行にした状態で車椅子に浅く座ってもらい、体をスライドさせるようベッドへ移乗させます。ベッド移乗後は気分が悪くないかを確認しましょう。

休憩(21:00)

就寝時間が過ぎたら約1時間の休憩を取ります。休憩の間は他の夜勤スタッフにコール対応等を任せます。休憩時間中には夜食を食べたりして過ごしますが、万が一緊急事態が発生した場合にはすぐに対応できる態勢でいる必要があります。

見回り(22:00)

夜間は、定期的に施設内や利用者の居室の見回りをおこないます。利用者がベッドに横になって寝ているかなどを確認します。夜中に徘徊をする人もいるので、徘徊時のケガなどを防ぐためにも見回りは重要な仕事です。利用者がトイレに行きたい場合には排泄介助をおこない居室まで誘導します。

寝返りサポート(00:00)

寝返りが打てない利用者のため、2時間に一度、寝返りのサポート(体位変換)をおこないます。寝返りが打てない状態が長時間続くと褥瘡(じょくそう)ができてしまい、皮膚の血の巡りが悪くなります。

体の大きい利用者もいるため、体力を必要とする作業です。この時も「気分は悪くありませんか」などの声かけをしっかりとおこないます。

介護記録(1:00)

見回りの際の利用者の様子やコール対応の内容などについての情報を関係者と共有するため、介護記録を取る必要があります。深夜の空き時間を見つけてこまめに書くようにしましょう。夜勤中に何かトラブルがあった時の大事な証明にもなります。

仮眠(3:00)

仮眠を30分ほど取りますが、その間は他の夜勤スタッフに対応を任せます。少しでも仮眠を取ることができれば体力が回復し、仕事のパフォーマンス向上につながります。

朝食介助(6:00)

高齢者は朝の目覚めが早いため、明け方になると起床コールが鳴りはじめます。夕食の時と同様、準備をしてから利用者の居室へ行き、食堂へ誘導して食事介助をおこないます。この時間帯にはスタッフの眠気がピークに達する場合もあるため、一つひとつの作業に注意が必要です

申し送り(8:00)

日勤者が出勤してくる時間です。夜勤中の利用者の様子や変わったことがなかったかなどの申し送りをおこないます。

申し送りをすることで、一人ひとりの利用者に対して適切なサポートを継続的におこなうことができます。申し送りをする際、5W1Hを意識して伝えると、より正確に情報を伝えることができます。

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未経験から介護職の夜勤を目指すには?

未経験からでも夜勤介護に就くことは可能ですが、そのためはどのようなステップを踏めばよいのでしょうか。

まずは日勤からスタートするのが一般的

未経験者がいきなり夜勤から入るのは現実的ではありません。夜勤から入ったとしても、夜勤スタッフの人員が限られているため新人を教育する余裕がありません。十分な教育を受けないまま現場の業務をおこなうと、利用者にも職場のスタッフにも迷惑をかけることになりかねません。

まずは人手に余裕のある日勤から入り、そこでしっかりと介護の技術や知識を学び、経験を積んだうえで夜勤の勤務をするという流れが一般的です。

夜勤スタッフが多い場合は夜勤からスタートできる場合も

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