介護職には、プログラム修了で取得できる資格から資格試験を経て取得するものまでさまざまな資格があります。
この記事では、介護系の資格が通信講座で取得できるのか、また介護職の入門資格である「介護職員初任者研修」の取得方法やカリキュラムを解説し、働きながらでも無理なく取得する方法を解説します。
介護の資格は通信講座や働きながらでも取れる?
介護の資格には、通信講座だけで取れるものと通学しなければ取れないものの2種類があります。通信講座だけでは取れない資格でも、通信講座を活用すれば通学日数を短縮できる資格もあります。ここでは通信講座だけでは取れない資格と通信講座だけでも取得できる資格を解説します。
通信講座だけでは取れない介護資格
介護職員初任者研修
「介護職員初任者研修」は介護職の入門資格ですが、通信講座だけでは資格取得ができません。初任者研修の受講カリキュラム全10項目130時間と通信講座での学習時間上限40.5時間の学びが必要となります。
そのため、すべて通学(スクーリング)で日程が組まれている講座と、通信とスクーリングの混合タイプの講座の2種類しかありません。通信講座を活用する混合タイプの講座は通学する日数を少なくすることが可能です。働きながら初任者研修の取得を目指す人の多くは混合タイプを活用しているようです。
介護福祉士実務者研修
初任者研修の上位資格にあたる「介護福祉士実務者研修」は介護福祉士の受験に必要な資格ですが、通信講座だけでは取得することができません。「介護課程Ⅲ」「医療的ケア(演習)」の2つのカリキュラムでスクーリングが必須となります。
介護課程Ⅲの学習時間は45時間とされていますが、医療的ケア(演習)の受講時間数に規定はありません。
通信講座だけで取れる介護資格
レクリエーション介護士2級
「レクリエーション介護士」はレクリエーションの知識やスキルを身につけられる資格です。標準受講期間は約一週間程度と受講期間も短いため取得難易度も高くありませんが、介護職のキャリアアップに直結するものではないため介護の主な資格と合わせて働きながら取得することをおすすめします。
介護食アドバイザー
「介護食アドバイザー」は、介護食の知識や高齢者向けの食べやすくおいしいレシピなどが学べる資格です。食事介助や口腔ケアなどもカリキュラムに含まれています。介護施設や訪問介護で調理業務に携わる介護士におすすめの資格です。
介護食アドバイザーの他、「介護食コーディネーター」も同じく通信講座だけで取得できます。通信講座の運営会社や資格によってレシピなどが異なるため、好みの講座を探してみましょう。
介護予防健康アドバイザー
「介護予防健康アドバイザー」は、介護予防の基礎知識や運動方法が身につく資格です。介護予防とは、介護が必要な状態を未然に防ぎ、健康で自立した生活を送るよう支援することです。デイサービスやデイケアなど通所サービスで取り入れられています。
介護事務管理士
「介護事務管理士」は、専門知識を多く要する介護事務スキルを学べる資格で、通信講座で取得することができます。隔月で試験があります。
通信講座のみで取得できる介護事務資格は他にも「ケアクラーク」や「介護報酬請求事務技能検定試験」もあります。ケアクラークは介護事務よりも学習範囲が広く、介護技術なども網羅されています。現場では介護事務員であっても介護の対応が必要となるケースもあるため役立つ資格です。
看護助手講座
「看護助手」は、病院や介護施設等において看護チームのサポートや身体介助など介護士に近い業務を担当します。看護助手講座を修了すれば「看護助手実務能力認定試験」合格となり、看護助手としての知識や能力を有することが証明できます。
看護助手には無資格でもなれますが、資格保有者のほうが採用時に優位であり、待遇アップも期待できます。
准サービス介助士
「サービス介助士」は安全な移動のための介助技術や接遇が学べる資格です。資格には複数ありますが、通信講座のみで取得可能なのが准サービス介助士です。サービス介助士になるためには自宅学習と2日間の実技が必要ですが、准サービス介助士を取得しておくと自宅学習部分が免除されます。
介護職以外の職種でも、公共交通機関や百貨店、金融機関などさまざまな場所で准サービス介助士の設置が推進されています。
終活アドバイザー
「終活アドバイザー」は、人生の終わりに向けた活動(終活)についての情報提供、終活にあたる懸念やアドバイスをおこなうことで解決に導く役割を担います。
終活のノウハウやエンディングノートについて学ぶことができます。高齢者用介護施設では人生後半だからこそ感じる不安や心配事を持つ高齢者の方も多くいるため、介護施設でも役に立つ資格です。
介護職員初任者研修を取得する方法
介護職員初任者研修スクールは通信講座だけでは取得できず、通信講座と通学を組み合わせる方法か、通学のみで取得する方法のどちらかで取得を目指します。
通信+通学で取得する場合
通信講座を組み合わせる場合、通学による受講時間を削減することが可能です。全130時間のうち通信講座は40.5時間が上限とされていますので、その分が削減可能となります。
通信講座で学習する際にはテキストや参考書で自習します。ポイントなどもテキスト内に書かれていますが、疑問点が解決できない場合もあります。その場合の質問方法や対応などは事前に確認しておくことをおすすめします。
また通信講座の場合、学習ペースを決めるのは自分自身です。いつ・どこで・どのくらいの時間勉強するかをイメージしてから申し込むことをおすすめします。スクールを決める際には、自宅や職場などから通いやすいスクールを選びましょう。
通学だけで取得する場合
通学だけで取得する場合、スクールの場所と受講スケジュールの確認は慎重におこないます。資格取得が早く叶うに越したことはありませんが、スクールが遠いと通うことのハードルが上がってしまいます。受講期間の短さだけで選ばず、スクーリング場所やコースを確認することをおすすめします。
一ヵ月の最短資格取得にこだわっていないようであれば、3~4ヵ月かけて資格取得を目指すコースもおすすめです。働きながら資格取得を目指す方に適している土日コースや夜間開講コースなどを実施しているスクールもあります。
土日開講コースであれば「土曜日もしくは日曜日のみの週一コース」や「土日2日間コース」などもあります。大手のスクールでは夜間開講のコースなどもあります。
給与
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パート・アルバイト 日給 24,000円~24,000円 |
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勤務時間
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21:00~翌9:00 |
仕事内容
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府中市にある男性のご利用者様のお宅に訪問して身体介護、生活援助をお願いいたします。 (勤務時間:月曜日の21:00~火曜日の9:00) ※別室で仮眠もできます。 |
住所
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東京都 町田市 小山町2598-5 メゾンファミーユⅤ101 京王相模原線 多摩境駅 から徒歩6分 |
介護職員初任者研修のカリキュラムは?
介護職員初任者研修のカリキュラムは、どのスクールでも共通で130時間の研修が義務づけられています。講座には座学と実技の2種類があり、講座は以下の内容で構成されています。
- 職務の理解 6時間
- 介護における尊厳の保持・自立支援 9時間
- 介護の基本 6時間
- 介護・福祉サービスの理解と医療との連携 9時間
- 介護におけるコミュニケーション技術 6時間
- 老化の理解 6時間
- 認知症の理解 6時間
- 障がいの理解 3時間
- こころとからだのしくみと生活支援技術 75時間
- 振返り 4時間
合計130時間
各項目の時間は、都道府県によっても若干異なることがあります。
職務の理解
「職務の理解」では、介護の多様なサービスの理解や介護職の仕事内容などを学び、介護職に関する理解を深めます。初回のオリエンテーションと同時におこなわれることも多く、6時間程度のプログラム内容になっています。
介護における尊厳の保持・自立支援
「介護における尊厳の保持・自立支援」では、介護で求められることや自立に向けた支援などを人権と尊厳の観点から学びます。個々人の基本的人権は介護状態になっても守られるべき、という基本を理解したうえで、事例をもとに必要な支援をグループディスカッションすることもあります。
介護職の仕事はチームワークを必要とする業務であることはもちろん、要介護者やそのご家族あっての仕事であることなどの基本を感じられるプログラムになっています。
介護の基本
「介護の基本」では、今後の要介護高齢者が増加する社会で求められていることや介護環境の実態などを学びます。
また、介護現場で求められる専門性と多職種との連携や介護職の役割、介護における安全確保とリスクマネジメントなど、実例を交えながら介護の基本を学習します。介護士のストレスマネジメントの項目もあり自身のストレス評価などもおこないます。
介護・福祉サービスの理解と医療の連携
「介護・福祉サービスの理解と医療の連携」では、介護保険制度の仕組みや取り巻く環境を理解し、介護と医療や福祉サービスとの連携、リハビリテーションなどを学びます。
介護と看護、その他の職種など、それぞれの立場や業務は異なりますが、介護現場では業種を超えて連携しなければなりません。基礎知識を通じて連携の重要性を理解することでスムーズに業務が遂行できるようになります。
リハビリの基礎知識項目では実際の講義時間を設けていないスクールもありますが、実際の医療と連携する際に使われる言葉など覚えるべき要素も多いため、じっくりと時間をかけて勉強しましょう。
介護におけるコミュニケーション技術
「介護におけるコミュニケーション技術」では、コミュニケーションの意義や目的、役割を理解し、相手への情報伝達について学習します。
要介護者の中には耳が遠い方もいらっしゃいますので、コミュニケーションとは一概に言葉だけを指すものではありません。身振りや手振り、表情なども重要なコミュニケーションツールとなります。
施設利用者とのコミュニケーションだけでなく、他のスタッフとのコミュニケーションについても学びます。24時間介護が必要な方もいますが、介護スタッフが一人で介護しているわけではありません。引き継ぎや情報共有、報告が重要となります。
また、要介護者のご家族とのコミュニケーションの重要性も学習します。事例に基づいたケーススタディによるグループワークもカリキュラムに含まれています。
老化の理解
「老化の理解」では、心と体の変化や健康を中心に老化について理解を深めます。認知症にも関わる内容であり、しっかりと理解を深めておく必要があります。自宅学習が中心となる項目のため、事前の課題レポートを活用しながら予習したり学習時間をうまく確保したりするなどして計画的に学習しましょう。
認知症の理解
「認知症の理解」では、認知症の基礎、認知症による心と体や日常生活の変化などを学習します。介護職では老化と認知の理解が欠かせません。
また、認知症患者とのコミュニケーションだけでなくご家族の介護負担の軽減など、さまざまなサポートが必要です。カリキュラムではそうした家族支援についても学習します。
課題レポートもさらに量が増えるため、自学の時間を確保する必要があります。また、老化と認知症については授業以外でも日々の情報収集が必要です。資格取得後も継続的に情報収集すると、より認知症患者やご家族への理解が深まります。
障害の理解
「障害の理解」では、物理的な障害や医学的側面だけでなく、生活障害、心理・行動の特徴などの基礎的知識に加え、障害を持つ方のご家族の気持ちや心理的ストレスなどの「かかわり支援」についても学習します。
老化・認知症と合わせて介護士として理解を深めておくべき項目であり、要介護者だけでなくそのご家族へのケアが求められることの重要性を再認識する項目でもあります。
こころとからだのしくみと生活支援
「こころとからだのしくみと生活支援」は、全130時間の介護職員初任者研修のカリキュラムの中で最もボリュームのある実技項目です。
おむつ交換などの排せつの介助、入浴・清拭の介助、車いすやベッドからの移乗の介助、体位変換などの実技があり、これまでの講義内容と重複する部分や共通する部分も多く出てきます。スキルを身につけるだけでなく自身の身体への負担を感じる場面もあり、より実践的に学ぶことができます。
講義の振り返り
「講義の振り返り」では、これまでの学習項目の振り返りや介護業務の備えをします。また、修了試験もこの項目でおこないます。
介護職員初任者研修には覚える項目も多くありますが、介護の仕事ではすべてが重要です。振り返りにより、要介護者の方の人権や尊厳を理解したうえでケアをすることや要介護者のご家族に寄り添うことの重要性などを再認識しましょう。
修了試験に合格するためには、細かい部分まですべて覚えるより、重要なポイントを集中的に覚えましょう。授業最終日に講師の方が重要項目を確認してくれるスクールもあるようです。講義中の重要ポイントを重点的に確認するようにしましょう。
働きながら資格取得を目指すには?
働きながらスクールに通い介護職員初任者研修を目指すことは可能です。介護士の方でも仕事と両立しながら資格取得を目指す方は多くいます。
働きながら資格取得を目指す場合のポイントとなるは、スクールの場所と受講スケジュールです。介護職員初任者研修は最短一ヵ月で取得できますが、急いでいない場合はスケジュールよりも通いやすいスクールを選ぶことをおすすめします。
通いやすい場所にあるスクールのほうが無理なく通えるのに対し、通いづらい、もしくは遠いスクールを選んでしまうと学習自体がおっくうになってしまう場合もあります。特に働きながらスクールに通う場合は疲れている中での通学となるため、なおさら面倒になってしまいます。
そうならないよう、ご自身のライフスタイルに合うプログラムを選んで資格を取得し、介護士としてのキャリアアップを目指してみましょう。
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