介護職の資格一覧と介護業界で着実にキャリアアップする方法を紹介

 

介護職に携わるためには特定の資格が必要と思っていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。しかし、実は介護に関わる資格は一つではなく、どのような役割を担うかによって取っておくべき資格は違ってきます。

この記事では、介護職に役立つ主な資格をご紹介しつつ、介護職でキャリアアップを目指すために取得すべき資格や具体的なキャリアステップを解説します

介護職の資格一覧

まず、介護職において取得をおすすめしたい資格を9つご紹介します。

介護資格1. 介護職員初任者研修

介護職の入門資格にあたる介護職員初任者研修は、資格を保有することで介護に関する基礎知識やスキルがあることを証明することができます。未経験や無資格でも取得することができ、資格取得の難易度も高くありません。スクールに通い修了試験に合格すれば取得が可能で、最短1ヵ月で取得できます。

介護職員初任者研修を修了しておくと、採用時に有利になったり給与が優遇されたりするなどのメリットがあります。

介護資格2. 介護職員実務者研修

介護職員初任者研修の上位資格にあたり、痰(たん)の吸引や医療的ケアなどのスキルを身につけられます。また、資格取得によりサービス提供責任者としても働くことが可能となります。

国家資格である介護福祉士を目指すためにはこの介護福祉士実務者研修の修了が必須ですので、介護職でキャリアアップを志す方はぜひ修了を目指しましょう。

介護資格3. 介護福祉士

介護職唯一の国家資格である介護福祉士は、介護職のキャリアパスの中でも上位に位置する資格です。そのぶん取得難易度も高いですが、この資格を保有すると介護現場でリーダーやサービス提供責任者、生活相談員として働くことができます

介護福祉士になるためには3つのルートがありますが、詳細は「2-3. 介護福祉士資格の資格取得」で解説します。

介護資格4. ケアマネージャー

正式には「介護支援専門員」と呼ばれるケアマネージャー。介護系資格の中では最も上位の資格となり、介護福祉士や実務者研修修了者などをまとめ、ケアプランを作成する役割を担います

ケアプランとは、適切な介護サービスを選択・計画したものです。ケアプランは施設利用者全員に一律に適用できるわけではなく、施設利用者の心身の状態や周囲の環境などを考慮して作成しなければなりません。ケアマネージャーは、そうした各利用者の状況を把握したうえで、介護のコーディネーターとしてケアプランを作成します。

介護資格5. 生活相談員

介護や支援の必要性を認定された高齢者・障害者やそのご家族に対し、介護老人福祉施設や短期入所生活介護(ショートステイ)の施設への入所から生活までの相談、援助、指導業務をおこなう専任の職員です。事業所やスタッフと利用者をつなぐ架け橋役を担います。

生活相談員になるためには、主に介護福祉士やケアマネージャー、社会福祉士、精神保健福祉士、社会福祉主事の経験が主な条件とされます。ただし、資格条件は各都道府県により異なるため、詳しくは各都道府県へ確認が必要です。

介護資格6.  看護師

看護師はその7割が病院に勤務していますが、介護の現場にも欠かせない職業です。介護士の主な仕事が入居者の生活全般をサポートすることであるのに対し、看護師は医療の立場から利用者に適切な処理を施すことはもちろん、日々の健康管理や入居者の身体介護などに関わります

また、介護施設には医師が常駐していない施設も多く、入居者の容体が急変することもあります。そうした緊急事態には看護師が応急処置をおこない、救急隊員や医師への引き継ぎといった重要な役割を担います。

介護資格7. 理学療法士(PT)

国家資格である理学療法士(Physical Therapist=PT)は、ケガや病気などで身体機能に課題を抱えた方の基本動作能力の回復や維持、また障害が表れることが予測される人への障害悪化の予防を支援します

基本動作能力とは、立つ・歩く・座る・寝返るなどの日常生活における基本動作のことで、運動や物理療法を施し自立した生活へと導きます。

介護資格8. 作業療法士(OT)

理学療法士と同じく国家資格ですが、理学療法士が日常生活における基本動作能力の向上を目指すのに対し、作業療法士は身体的・精神的に障害を抱える人の応用的動作能力の回復を図るため、日常生活動作の練習や訓練を実施します

日常生活動作とは、食事や排せつ、コミュニケーション、仕事や家事など日常生活に必要な動作を指します。

介護資格9. 言語聴覚士(ST)

こちらも国家資格の専門職で、言語によるコミュニケーションの問題を適切な訓練プログラムを通じて解決し、精神的なケアもおこないます

舌や唇、声帯など言葉を発するのに必要な器官は摂食や呼吸のための器官でもありますので、言語と食べることの障害には密接な関係があります。その点から、言語聴覚士は医療現場だけでなく介護の現場でも活躍しています。

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介護資格を取得して未経験者がキャリアアップするには?

ここからは、未経験者が介護職でキャリアアップするためにはどのようなステップが必要なのか解説します。

介護職員初任者研修の資格取得

未経験・無資格から介護の仕事に携わる場合、まずは介護職員初任者研修の修了を目指します。

前述の通り、介護職員初任者研修は最短1ヵ月で取得できる入門資格ですが、厚生労働省認定の公的資格であり、この資格取得を通じて介護知識の基礎を学ぶことができます。

介護の仕事は未経験・無資格でも始めることが可能ですが、無資格では身体に触れるなどの業務は携わることができません。業務に制約がある分、働ける場所や給与に差がつきます。その点からもまずはぜひ取得を目指しましょう。

介護福祉士実務者研修の資格取得

介護職員初任者研修を修了したら、次に目指すのは介護福祉士実務者研修です。初任者研修よりも幅広い分野の介護知識や実践的な介護スキルを学ぶことになります。

受験資格はないため介護職員初任者研修を取得していなくても受講は可能です。ただし計450時間の講習を受講する必要があるため、介護の仕事に慣れ始めた2年目頃から目指すことをおすすめします

介護福祉士実務者研修を修了すると以下のようなメリットがあります。

  • 特定の医療行為(喀痰吸引、経管栄養)ができる(※実地研修が別途必要)
  • 資格手当により給与アップが見込める
  • 転職時に有利
  • 介護福祉士の受験資格が得られる
  • サービス提供責任者としても働ける

働きながら介護福祉士を目指すためには、この実務者研修は必須資格となります。

介護福祉士資格の資格取得

介護職のスペシャリストになるためにはぜひ介護福祉士の取得を目指しましょう。国家資格であるため難易度は低くはありませんが、資格を有することで新人教育やリーダーなど仕事内容の幅も広がります

介護福祉士の資格を取得するためには、「実務経験ルート」「養成施設ルート」「福祉系高校ルート」の3つのルートがありますが、養成学校や福祉系高校を修了していない場合や社会人が働きながら介護福祉士を目指す場合は実務経験ルートしかありません。

実務経験ルートでは、介護施設での3年以上の実務経験と介護福祉士実務者研修修了の2つの条件をクリアすることで受験資格が得られます。国家試験は年一回のみの開催ですので、計画的に実務者研修を受講し試験勉強をおこなうことをおすすめします。

介護福祉士の資格を取得すると以下のようなメリットがあります。

  • 資格手当により給与アップが見込める(介護福祉士の資格有無では年収30~60万円程度の差)
  • 転職時に有利
  • 認定介護福祉士、ケアマネージャー、サービス提供責任者など今後のキャリアアップにもつながる

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給与
パート・アルバイト 日給 24,000円~24,000円
勤務時間
21:00~翌9:00
仕事内容
府中市にある男性のご利用者様のお宅に訪問して身体介護、生活援助をお願いいたします。
(勤務時間:月曜日の21:00~火曜日の9:00)
※別室で仮眠もできます。
住所
東京都 町田市 小山町2598-5 メゾンファミーユⅤ101
京王相模原線 多摩境駅 から徒歩6分

介護資格を取得して経験者がキャリアアップするには?

経験者が介護職でキャリアアップするプランもご紹介しましょう。ここでは介護職歴5〜10年以上のベテラン介護職員がその経験を活かしてキャリアアップするためのプランを解説します。

介護福祉士としての現場経験があれば、次のステージでは介護業界で別の役割を担うための新たなチャレンジが可能です。施設長などの管理者、ケアマネージャー、生活相談員などへのキャリアアップ、看護師・PT・OT・STへのキャリアチェンジなどが想定されます。

管理者(施設長)になる

介護福祉士として経験を積むと、やがてマネジメント職を任されるようになります。なかでもすべての職員を束ねトップに立つ存在となるのが、管理者である施設長です。その業務は多岐にわたりますが、大きく分けて「運営管理」「収支管理」「人の管理」の3つがあります

運営管理は施設の運営に関わる業務で、施設のメンテナンスや運営サービスの質の向上、営業活動などに関わります。

「収支管理」は入居者の施設利用料や運営管理費用などを把握し、収支のバランスを見ながらコントロールする役割に担います。「人の管理」は職員のマネジメントだけでなく利用者の状況も把握します。

また、緊急時にはリーダーシップを発揮し迅速かつ的確に判断・指示をする必要があります。現場で経験するような業務とは異なり大きな責任も伴いますが、大きく成長することができます。また大幅な給与アップも期待できます。

平均所定内賃金 平均賞与
正規職員 234,873円 598,379円
事業所管理者(施設長) 359,357円 711,426円

出典:平成30年度介護労働実態調査結果について

施設長になるための要件はサービスや施設によって異なります。特定の資格を保有していることを条件にしている施設があれば経験年数を設定している施設もあり、さらにはまったく資格要件を設けていない施設もあります。

ケアマネージャーの資格取得

ケアマネージャーも介護福祉士からの代表的なキャリアパスの一つです。主な仕事は前述の通りケアプランの作成で、要介護者と介護施設をつなぐ大切な架け橋役を担います。

そのためコミュニケーション力や臨機応変な対応力も求められます。活躍の場は大きく2つ、「居宅介護支援事業所」(居宅ケアマネ)と「介護保険施設」(施設ケアマネ)に分けられます。

ケアマネージャーには以下のようなメリットがあります。

  • 資格手当により給与アップが見込める

(介護実務と兼任の場合、介護福祉士と介護支援専門員の両方の資格手当が支給されることもある)

  • 日中勤務が多く、夜勤をせずに働ける

ケアマネージャー資格取得のためには「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格しなければなりません。

試験の合格率は10%程度で、介護職の他の資格よりも合格率が低く、難易度が高い資格です。ケアマネージャーの資格を取得するための標準受講期間は約3~6ヵ月程度ですが、実務経験は最短5年必要と定められており、その点もこの資格の取得の難易度を高めています。

しかし、介護業界で長くキャリアを築いていきたい場合にはぜひ取得を目指すことをおすすめします。

生活相談員の資格取得

「ソーシャルワーカー」とも呼ばれる生活相談員(生活支援員)は、事業所やスタッフと施設利用者をつなぐ架け橋のような存在で、ケアプランの作成など一部の業務がケアマネージャーと似ている部分もあります

前述の通り、生活相談員になるための条件は地域によって異なりますが、介護福祉士やケアマネージャー、社会福祉士、精神保健福祉士、社会福祉主事の実務経験を主な条件としているところが多くあります。資格条件はお住まいの各都道府県に確認しましょう。

看護師の資格取得

介護の現場では医師や看護師との関わりも少なくありません。そのため、スキルアップを目指して介護職員が看護師を目指すケースもあります。

看護師資格は学校に通って取得する必要があるため通学時間や費用などのハードルは高くなりますが、スキルアップが確実にできるキャリアチェンジです。

看護師として介護の現場に携わると、可能な介助の幅が広がります。また、利用者の看護計画を立てることも業務となり、医療的ケアもがおこなえるようにもなります。

また、看護の世界では今、看護師へのキャリアチェンジをより簡易にするための新制度導入が検討されています。この新制度が導入されると、介護福祉士資格を保有すると共通する学習過程の一部を免除され、3年の学習期間が2年に短縮されます。

看護師資格があれば転職先として介護施設以外の選択肢も広がりますし、収入のアップも期待できるでしょう。

リハビリ職の資格取得(PT・OT・ST)

介護職の経験からさらにスキルを高めたい方は、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)などのリハビリ職へキャリアチェンジをするという選択肢もあります。

リハビリ職はトレーニングを通じて身体機能障害の回復をサポートするのがその役目です。上記の3つはいずれも国家資格であり、資格を取得すれば活動の場は介護施設だけでなく病院やクリニックにも広がります

また、介護施設で勤務を継続する場合でも、実際に介護現場を経験していることから介護職員の気持ちに寄り添えるセラピストとして重宝されます。

給与も介護職と比較し大幅に向上する可能性がありますが、資格取得のためには大学や養成校での学習後、国家試験に合格しなければなりません。学校に通うのには3〜4年の時間を要し、学費もかかるため、資格取得のハードルは非常に高いでしょう。

キャリアプランを考えた行動が大切

この記事では、介護職に従事するうえで役立つ資格と、資格を活かしたキャリアアップのプランについてご紹介しました。

介護職の資格には、カリキュラムをすべて修了すれば取得できるものから国家資格までさまざまな資格があり、看護師や理学療法士などへのキャリアチェンジも選択肢の一つとなっています。ご自身のキャリアプランをあらためて考え、将来を見据えたうえで資格保有をプランニングすることをおすすめします。

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