介護職の履歴書の書き方は？マナーと好印象を持ってもらうポイント

就職・転職活動の際には履歴書を提出しなければなりません。履歴書は、面接前や面接時において採用担当者にあなたの第一印象を決定づける大切な書類です。

この記事では、介護職に応募するたうえでの履歴書の作成方法やポイント、提出方法について解説します。

介護職の履歴書を書く前に押さえておくべきこと

まずは、介護職の履歴書を書く前にしっかりと押さえておくべきことを知っておきましょう。

介護職の履歴書を書く時のマナー

介護職に応募するための履歴書は手書きで作成することをおすすめします。昨今ではパソコンで作成された履歴書も一般的になっていますが、特に施設からの指定がない場合は手書きで作成するのがおすすめです。ただし、あまりにも字に自信がない場合や手書きが難しい場合は、パソコンで作成してもかまいません。

履歴書に記入する際は、相手に読みやすい字で丁寧に書きましょう。介護職に限ったことではありませんが、字のきれいさよりも気持ちを込めて丁寧に書かれているかが重要です。たとえ字を書くのが苦手な方でも、丁寧に書いた文字であれば熱意や誠意が十分に採用担当者に伝わります。

また、略字を使わずに記載するなども履歴書の書き方の大切なポイントです。その他の記載のポイントをここでは解説します。

年号は西暦か和暦かのどちらかに統一

履歴書には、記載日付欄や学歴・職歴欄などさまざまな項目で年号を記載する欄があります。記載する年号は西暦であればすべて西暦に統一、和暦であればすべての項目で和暦に統一するようにしましょう。

記入欄の空白はできるだけなくす

履歴書の記入欄の中には、志望動機や本人希望欄など、何を書けばよいか悩むところもあります。しかし、記入欄にはできる限り何かしら記入し、空白は極力なくすように心がけましょう。

シャチハタは使わない

最近では捺印欄がない履歴書も一般的になっていますが、もし捺印欄があればシャチハタは使わず認印を使いましょう。

間違えた場合は履歴書を書き直す

書き損じてしまったら必ず履歴書を書き直すようにしましょう。修正液や修正テープ、線で消して書き直すなどの修正では、その程度の志望度と受け止められてしまいます。

また、記載が終わった後にも必ず誤字・脱字がないか確認しましょう。誤字・脱字はそれだけでマイナスの印象になってしまいます。すべて書き終えてから間違いに気づいたとしても、修正箇所がある場合は新しい履歴書に再度書き直します。

住所は都道府県から書く

住所欄には郵便番号を忘れずに記載しましょう。また、住所は都道府県から記載しましょう。

学校名や会社名、資格、免許は正式名称で書く

学校名や会社名、資格、免許は正式名称で記載します。高校は「高等学校」、（株）は「株式会社」と正しく記載しましょう。

また、年月を記載する学歴・社歴欄や資格欄は古い順に記載し、学歴は高校卒業以上の学歴を記入しましょう。

介護職の履歴書を書く時に準備しておくもの

次に、介護職の履歴書を書く際に準備しておくものについて解説します。

履歴書

履歴書はコンビニやスーパー、100円ショップなどで購入できますが、フォーマットをダウンロードして作成することも可能です。

黒のボールペン

履歴書を記載する際には黒のボールペンか万年筆を使用します。黒のボールペンがない場合は青でも良いとされています。また、書き損じの際に書き直しができるからといって鉛筆や消せるボールペンを使用することは避けましょう。

記入後は「にじみ」や「かすれ」がないかも確認し、インクが乾いてから封筒などに入れることをおすすめします。

証明写真

証明写真は採用担当者が真っ先に目を止めるともいわれる大事な要素です。指定がなくても証明写真は必ず添付します。

印鑑

捺印欄があるフォーマットを使う場合はシャチハタではなく印鑑を使用します。実印である必要はありません。認印を使用しましょう。

資格証明書（ある場合）

施設によっては介護系の資格を保有していると給与がアップすることもあります。面接時に原本を持参してほしいという施設もありますので、資格欄に記載したうえで資格証明書は面接当日に持参しましょう。証明書を紛失した場合は面接までに必ず再発行をおこないます。

履歴書の形式やサイズ

履歴書のサイズはB5（B4二つ折）が一般的です。

「手書き」と「パソコン」どっちがいい？

履歴書を作成する際は、手書きでもパソコンでもどちらでも問題はありません。しかし、手書きで丁寧に作成された履歴書の方が熱意や思いが伝わりやすいものです。介護職を応募するための履歴書の場合、特に施設側からの指定がない限り手書きで作成することをおすすめします。

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介護職の履歴書の書き方ポイント

押さえておくべきことを知ったら、次は実際に介護職の履歴書を書く際のポイントをご紹介します。

日付

日付は記入日ではなく履歴書を提出する日を記入します。履歴書を郵送する場合は「ポストに投函する日」、持参する場合は履歴書を「持参する日」となります。また、他の記入項目と西暦・和暦を統一することにも注意しましょう。

氏名（印鑑）

氏名欄は楷書体で丁寧に記入します。ふりがなの書き方は履歴書フォーマットに従います。「ふりがな」とひらがなで書かれている場合はひらがなで、「フリガナ」とカタカナで書かれている場合はカタカナで記入します。

前述の通り、印鑑の捺印欄がある履歴書フォーマットを使用する場合はスタンプ式のシャチハタではなく朱肉を使う印鑑を使います。押印は傾いたりかすれたりしないよう注意しましょう。

生年月日・年齢

生年月日の年の表記は他の項目と統一された西暦・和暦を用います。年齢は提出時点での満年齢を記入します。

現住所・連絡先

現住所は住民票に記載されている住所を都道府県名から記載します。マンション名やビル名、部屋番号まで省略せずに正確に記入します。また、番地の記載もできる限り住民票などの公的な表記に合わせ、○丁目○番地○号と正しく記入します。

ふりがなは漢字の部分だけにふります。氏名欄と同様、履歴書フォーマットに「ふりがな」と書かれている場合はひらがなで、「フリガナ」と書かれている場合はカタカナで記入します。

連絡先の欄は、住所が現住所と同じ場合は「同上」と記入します。電話番号は固定電話と携帯電話を記入するのが一般的ですが、最近は固定電話のないケースも珍しくありませんので、その場合は携帯電話だけで問題ありません。確実に連絡が取れる番号を記入しましょう。

メールアドレスは携帯のメールアドレスは避け、パソコンのメールアドレスを記入します。また、勤務先のメールアドレスを使用することも避けましょう。勤務先に転職活動をしていることが発覚してしまう可能性があります。

証明写真

証明写真は3ヵ月以内に撮影した写真を添付します。写真は採用担当者にあなたの第一印象を決定づける大切なポイントです。写真を撮影する際には、服装・髪型など身だしなみだけでなく表情にも気を配り、さわやかで健康的な印象を伝えられるようにしましょう。

服装はスーツが理想的ですが、介護業界の場合はビジネスカジュアルでも良いとされています。ただしジャケットは着用するようにしましょう。洋服のシミや汚れ、シワにも注意が必要です。髪の色が明るすぎる場合は暗めの色に戻すことをおすすめします。

また女性の場合は、清潔感のあるメイクを心がけ、髪の毛が長い場合は結んでおきましょう。派手なアクセサリーも外しておきます。

なお、写真の裏面には自分の名前を記入しておきましょう。写真が剥がれ落ちてしまった場合に誰の写真かわかるようにしておくためです。

学歴・職歴

学歴と職歴の項目に分けて時間軸で記載します。他の項目と同様、西暦・和暦は統一します。学歴の項目では、正式名称の学校名を記入します。県立・私立なども書き忘れないように注意しましょう。

【例】県立○○高校 → △△県立○○高等学校

高校は卒業年月、大学は入学・卒業それぞれの年月を記入します。また、学部・学科・専攻も記入します。

職歴の項目では会社名や組織名を正式名称でします。

（株）→ 株式会社

（医）→ 医療法人

（福）→ 社会福祉法人

また社名だけでなく、所属部署や事業所・施設や担当していた職務・職種や簡単な業務内容も記入します。さらに、基本的には正社員・契約社員の職歴も記入しますが、パートやアルバイトの経験でも応募する職種へのアピールにつながる経験であれば記入することをおすすめします。

ただし、勤務が短期間の場合は逆効果になりかねないので、2ヵ月以上を目安とし職歴に追加しましょう。学歴・職歴欄を書き終えたら、最後の行の右端に「以上」と記入します。

免許・資格

すべての保有資格を記入するのが原則ですが、多数の資格を取得した場合は、介護・福祉系・医療など、応募する求人に関連する資格のみに絞ります。取得日が早いものから順番に、取得年月とともに記入しましょう。

資格名は正式名称で記載します。取得時から法改正などで資格の名称が変更となっている場合があるため、必ず正式名称を確認してください。

取得資格が少ない場合は、現在取得予定（勉強中）の資格を記入しておくと良いでしょう。

【例】○○資格取得のためにセミナー受講中　など

志望動機・特技・アピールポイント

志望動機・特技・アピールポイント欄は、履歴書の中であなたのやる気や強み、スキルをアピールできる唯一の項目です。履歴書作成における最重要ポイントといってもいいでしょう。

志望動機には、経験やスキルなどの具体的な事例やなぜその施設での就労を希望するのかの理由を挙げ、自分がどのように貢献できるかをアピールしましょう。

書き方例

家族が要介護状態になったことを機に介護業務の重要性ややりがいを知り、配送業から介護職に転職しました。7年間有料老人ホームの介護職員として勤務し、2021年介護福祉士の資格を取得しました。今後利用者様により良いケアを提供したいと考え、自身のスキルを高めることができる研修制度が充実している貴社を志望いたしました。

本人希望記入欄

希望勤務地や勤務時間を記入するのが一般的ですが、重要なポイントのみに絞って記入し、詳細は面接時に採用担当者と話す際に伝えます。複数の職種でスタッフを募集している求人に応募する場合は、「介護職を希望します」など志望する職種を明記しましょう。

応募先事業者の募集要項と自身の希望に矛盾がないことも確認します。夜勤スタッフ募集の求人に「夜勤は難しい」と記載してしまうようなことがないようにしましょう。特に希望がない場合、「貴社規定に従います。」と記載します。

勤務に関しての希望があると採用選考上不利になる可能性もありますが、事実を伝えずに採用されてしまい後から困るようなことがないよう、事実をしっかりと伝えましょう。

書き方例

• 同居している父の介護のため、自宅からの通勤時間が1時間以内の施設での勤務を希望します。
• 子どもの保育園の送迎時間の関係で、日曜日・祝日を除く9時～17時の勤務を希望します。
• 慢性的な腰痛のため、立ち仕事はベルト着用のうえ●時間以内の勤務を医師から命じられております。

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介護職の履歴書の提出方法と注意点

履歴書が書き終わったらいよいよ提出です。ここでは履歴書の提出方法と注意点について解説します。失礼がないよう十分に配慮しましょう。

履歴書郵送する場合

履歴書を郵送する場合、白色のビジネス用封筒を用意しましょう。サイズは折らずに入れられるA4サイズがおすすめ。クリアファイルに挟んだうえで封筒に入れます。郵便料金の不足がないよう確認することも大切です。

送付状の書き方

送付状の住所は省略せずに都道府県名から記入します。また番地も「−（ハイフン）」を使用せずに正確に○丁目○番地○号と記入します。

宛名の社名は（株）などと略さず、株式会社など正式名称を記入します。宛名が社名や部署名など組織の場合は「御中」、個人の場合は「様」をつけます。「御中」と「様」は併用しません。

【例】

○○株式会社 御中

○○株式会社 人事部 御中

○○株式会社 人事部 ○○○○様

○○株式会社 人事部 ご担当者様

封筒の書き方

送付先の名称や宛先は送付状と同様に正しく記載します。また、「履歴書在中」と封筒の左下に赤ペンで記入し、四角で囲みます。囲む線は定規を使用してまっすぐに引きましょう。

封筒の裏面左下には、縦書きであなたの氏名・住所・郵便番号を記入します。宛名面と同じように楷書で、省略せずに正確に記載しましょう。

封を閉じたら、密封マーク（〆）も忘れずに書きます。

履歴書を面接時に持参する場合

履歴書を直接持参し手渡しする場合でも封筒を使いましょう。封筒に入れることで、持参する間に折れやシワ、汚れを防ぐことができます。郵送時と同様クリアファイルにはさんだ状態で封筒に入れます。

直接手渡しする場合は表面に宛先を記入する必要はありませんが、裏面の左下には自分の住所と氏名を記載します。

履歴書をメールで送る場合

ファイル形式はPDF

履歴書をメールで送付する場合、履歴書のファイルはPDF形式に変換して送付します。WordやExcelなどのテンプレートで履歴書を作成した場合でもPDF形式に変換しましょう。

そうすることで表示崩れやバージョン違いによってファイルが開かないトラブルを回避できますし、第三者による改ざんや上書きを防ぐことができます。自分の情報を守るうえでも必ずPDFに変換しておきましょう。

ファイルにパスワードを設定

履歴書は個人情報が含まれる重要書類ですので、第三者に閲覧されるリスクを軽減するためにもパスワードを設定することをおすすめします。

パスワードを設定する際は以下の手順が最も簡単です。ぜひ試してみてください。

1. PDFファイルへ変換
2. フォルダに格納（フォルダ名は「20211001_履歴書」など分かりやすいものに）
3. パスワード付zip形式に圧縮しパスワードを設定

メールの文面例

メールに履歴書を添付し送る場合の文面は以下を参考にしてください。

【件名】履歴書ご送付の件／氏名

【本文】

社会福祉法人○○○会 ○○苑

○○○○様

□□□□と申します。

ご指示いただきました履歴書を添付にてお送りいたします。

ご確認のうえご査収のほど、よろしくお願い申し上げます。

応募書類には念のためパスワードを設定しております。

追ってパスワードをお伝えいたしますので、ご確認いただけますと幸いです。

お忙しいところ恐縮ですが、ご確認のほどよろしくお願い申し上げます。

———————————–

氏名

郵便番号＋住所

電話番号

メールアドレス

———————————–

面接当日に印刷した履歴書を持参

面接当日に履歴書の内容をあらためて確認できるよう、手元にコピーを残し、面接当日には持参するようにしましょう。面接は提出した履歴書をもとに採用担当者から質問されますので、履歴書に書いてある内容と面接の受け答えに整合性がないと採用担当者の信頼度が下がってしまう可能性があります。

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