介護の夜勤バイトは、無資格・未経験でも応募可能な求人としてよく目にする職種の一つです。しかし、「今まで介護業界とは無縁だった自分がいきなり飛び込んでも大丈夫なのかな?」と不安に思ってしまう方も多いかと思います。
この記事では、介護の夜勤バイトの仕事内容やメリット、デメリット、夜勤バイトにおすすめの施設形態まで詳しく解説します。介護業界で新たな一歩を踏み出そうとしているあなたの参考になれば幸いです。
目次
介護の夜勤バイトは未経験でもできる
介護の仕事というと国家資格を取った専門知識のある人にしかできないと思われがちですが、実際介護業界には「無資格・未経験可」という求人が多く存在します。働きながら専門知識を高めていき、プロフェッショナルを目指すことも可能です。
また、介護業界は慢性的な人材不足の状態にあり、十分な人員を確保するために資格や経験よりもやる気や人柄を重視した採用をおこなっています。特に近年は、正社員だけではシフトを回しきれないなどの理由から「夜勤専従バイト」を採用する施設も増えてきています。
さらに、大手グループの施設では無資格・未経験から管理者へのキャリアアップが可能であったり、資格取得に向けた研修制度が充実していたりするケースも少なくありません。
介護の夜勤バイトの勤務時間や仕事内容は?
介護夜勤では具体的にどんな仕事をするのか、何時から何時まで勤務するのかなど、未経験の場合は気になることが多いと思います。ここでは介護夜勤の勤務時間や仕事内容の一例をご紹介します。
勤務時間
勤務時間は当然ながら夜間帯となります。主に2交代制と3交代制があり、下記のようなスケジュールが一般的です。
- 2交代制 17時~9時(±30分)
- 3交代制 【準夜勤】22時~6時/21時~5時【深夜勤】1時~9時(±30分)
2交代制は勤務時間が長く、ガッツリ稼ぎたい方におすすめです。多くの施設では2~3時間の仮眠があります。3交代制は拘束時間が短いですが仮眠がなく、深夜に起きていられない人にとっては辛いかもしれません。
介護施設では2交代制の場合が多いので、3交代制を希望する場合は病院を中心に探してみましょう。ただし、3交代制の夜勤バイトは求人数自体が少ないため、求人サイトに登録して就職活動を手伝ってもらうのがおすすめです。
夜勤は通勤・帰宅ラッシュに巻き込まれることが少なくノンストレスで通勤・帰宅が可能な点も魅力です。ご自身のライフスタイルに合わせて選びましょう。
仕事内容
介護の仕事内容というと国家資格を取った専門知識のある人にしかできないと思われがちですが、コミュニケーション能力や家事の経験を活かすこともできます。働きながら専門知識を高めていき、プロフェッショナルを目指すことも可能です。
施設の形態によって仕事内容はさまざまですが、基本的には以下のような利用者の方の生活サポートが中心となります。
- 夕食、朝食の準備、介助
- 排泄介助
- ナースコールの対応
- 体位変換(寝返りのお手伝い)
- オムツ交換
- 緊急時の対応
- 起床時のお手伝い
上記のような内容を中心に、事務処理や雑務、日勤帯への申し送りなども行います。基本的には日中の介護業務と大きく変わりはないですが、夜間は職員の人数が少ないため、イレギュラーな対応が必要となる場合もあります。
グループホームなどの小規模の施設では、食事の準備の一環として簡単な調理をすることもあるので、得意不得意を考えながら施設の種類を選びましょう。
タイムスケジュール例
2交代制(17時~9時)を例に1日のタイムスケジュールの一例を見てみましょう。
- 17時…申し送り・引継ぎ
- 18時…食事介助・下膳
- 19時…トイレ誘導・就寝準備
- 20時…見回り・体位変換・オムツ交換・ナースコール対応・事務処理(利用者が就寝している間に自身の休憩や仮眠を取ります)
- 6時…起床介助・トイレ誘導
- 7時…朝食準備・介助
- 8時…朝食下膳・申し送り・引継ぎ
- 9時…終了
利用者が就寝中の夜中~明け方にかけては、認知症の方が寝付けずに徘徊したり利用者の体調不良によるナースコールがよく鳴ったりする日もあれば、何事もなく静かに夜勤が終わる日もあります。休憩や仮眠は業務が落ち着いたタイミングで取ることになるでしょう。
多くの場合、19時~7時頃の間は夜勤の職員のみとなりますが、それ以外の時間は日勤帯の職員もいるため、食事介助などは十分な人手のもとで業務が可能です。
また施設によっては「検食」と言って利用者が食べる食事を事前に職員が食べるという業務もあります。検食はもちろん無料なので、食費の節約にもつながるでしょう。
介護の夜勤バイトは稼げる?
せっかく夜勤で働くなら、しっかり稼ぎたいと思うもの。でも「介護業界って給料が低いんじゃない?」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、介護夜勤には夜勤手当があるため、日勤の介護職として働くよりも多くの給料を得ることができます。実際にどれくらいの給料となるのかを見ていきましょう。
平均時給はどれくらい?
介護夜勤では、通常の時給に加えて労働基準法で定められた深夜割増料金が25%上乗せされます。厚生労働省が発表した「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」によれば、介護職の平均的な時給は1,110円ですが、夜間は当然それより高い時給が支払われることになります。
また、時給アップに加えて時間外割増手当を設定している施設も多く、介護夜勤に限って言えば、「介護職は稼げない」といった世間のイメージと実際の給与には違いがあることがおわかりいただけるかと思います。経験を積んで資格を取ったり、スキルを高めて専門知識が必要な施設に転職したりすれば、さらに給与アップを目指せるでしょう。
フル勤務した場合の月収例
それでは、介護の夜勤バイトの月収は具体的にどの程度になるのでしょうか。2交代制の場合で、月収例を計算してみます。
一般的にフル勤務でバイトするとなると、月20日前後の勤務となります。一方、介護夜勤でのフル勤務はマックスで11日程度。一度の勤務で実質2日分働いているため、フルで勤務したとしても月に11日程度の勤務となります。なお、22時から翌5時までの7時間は、時給が25%上乗せされます。
また、日本医療労働組合連合会発行の月刊誌『医療労働』によれば、2019年の非正規職員の一日あたりの夜勤手当の平均は7,753円となっています。これをもとに計算すると、
日勤時給1,110円×9時間=9,990円
夜勤時給1,388円×7時間=9,716円
(9,990円+9,716円+夜勤手当7,753円)×11日=30万2,049円
となります。
とはいえ、ネットで検索すると「介護夜勤で月収50万円!」などという記事を見かけることもあります。もちろんそれは嘘ではありません。働く地域や施設の形態、持っている資格によって給与は大きく変わってくるためです。
また、介護職の入門的資格「介護職員初任者研修」を取得しているだけでも給与に差が出てきますので、高月収を目指したい方は資格取得を検討するのも一つの方法でしょう。詳しい条件はぜひ求人サイトでチェックしてみましょう。
給与
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パート・アルバイト 日給 24,000円~24,000円 |
---|---|
勤務時間
|
21:00~翌9:00 |
仕事内容
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府中市にある男性のご利用者様のお宅に訪問して身体介護、生活援助をお願いいたします。 (勤務時間:月曜日の21:00~火曜日の9:00) ※別室で仮眠もできます。 |
住所
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東京都 町田市 小山町2598-5 メゾンファミーユⅤ101 京王相模原線 多摩境駅 から徒歩6分 |
介護の夜勤バイトのメリット・デメリット
未経験スタートでも高時給が期待できる介護夜勤ですが、他にもメリットはあります。一方、実際に働く前に知っておきたいデメリットも存在します。バイトを始めてから「こんなはずじゃなかった…」とならないよう、メリットもデメリットもしっかり把握しておきましょう。
介護の夜勤バイトのメリット
介護の夜勤バイトのメリットとしては、主に以下のようなポイントが挙げられます。
- 時給が良い
- 求人が豊富
- ラッシュに巻き込まれない
- ダブルワークをしやすい
まず一番のメリットは、何と言っても高時給なところです。前述した通り、働き方次第では月収30万円以上も可能で、週1回の勤務でも月収7~8万円を見込めます。
求人数が多いのも魅力の一つです。お仕事探しに苦労する人が多いなか、介護業界には常に求人が溢れています。夜勤専従は日勤に比べると少ないものの、求人サイトをチェックすればさまざまな施設の求人が掲載されています。
また、通勤ラッシュに巻き込まれないことは夜勤バイトの隠れたメリットといえるでしょう。一般的な生活リズムとは逆のリズムとなるので、人混みに飲まれることはありません。普通ならストレスの原因となる通勤の混雑ですが、座ってゆっくりと通勤できるため心身への負担を軽減できます。
また、ダブルワークをしやすいこともメリットとして挙げられます。今現在働いている日勤の仕事を続けながら介護夜勤として週1回程度勤務するなどといった働き方ができます。「介護夜勤をやってみたいけど不安がある」という方も、今の仕事を続けながらであれば、万が一挫折しても失業の心配はないでしょう。
介護の夜勤バイトのデメリット
一方、介護の夜勤バイトのデメリットとしては以下のようなものが考えられます。
- 拘束時間が長い
- 体力が必要
- 生活リズムが一変する
介護の夜勤バイトをする上で一番気になるのが拘束時間の長さです。2交代制だと拘束時間が16時間となり、勤務の日はプライベートな時間を取るのは難しくなります。独身で一人暮らしの方や一人で楽しめる趣味をお持ちの方にとっては大きな問題ではないでしょうが、家族や恋人がいらっしゃる方にとっては休息の取り方が難しくなるかもしれません。
2つ目に、介護夜勤はとにかく体力が必要な仕事です。仮眠があるとはいえ夜中を含め16時間働くことになるので、体力に自信のない方にとっては最初はかなりきつく感じられるかもしれません。日によっては仮眠を取れない場合もあります。ただしこれは体の慣れの問題でもあり、働きながら徐々に体を慣らしていくことで解決できるでしょう。
生活リズムが一変してしまうのも気になる点の一つです。夜間に働いているので日中出かけたり遊んだりするのは難しくなる可能性があります。また、 睡眠時間が日中となるため、人々の生活音が気になってしまうかもしれません。
生活リズムに慣れるまでは時差ボケのような身体の辛さがある場合もありますが、慣れてくれば夜勤明けに遊びに行ったり買い物をしたりして楽しむ介護スタッフもいます。
介護の夜勤バイトを始めるときの注意点
介護の夜勤バイトは基本的には日中の介護職と変わらない業務内容ですが、夜勤特有の注意点もあります。具体的に見ていきましょう。
一人対応の場合が多い
介護夜勤は日勤に比べると半分以下の人出で対応するため、一人で対応する場面が多い仕事です。一緒に働いている夜勤者も他の利用者の対応をしていることが多く、自分自身の判断で対応する必要があります。オムツ交換や体位変換も一人でおこなうことが多く、確かな技術が必要です。施設によっては自分一人で一晩、すべての業務に対応しなければならない場合もあります。
ただし、未経験で就職可能な施設は一対一のOJT制度や充実した研修制度があるため、独り立ちするまでしっかりサポートしてくれるでしょう。一人前になるまでは、新人を一人で対応させるようなことはありません。
利用者さんの急変
介護施設では利用者の方の体調の急変も起こり得ます。日中だと職員も多く全員が連携して対応できますが、夜間はただでさえ少ない職員の中、通常勤務をしながら緊急時の対応をしなければならず、ベテランスタッフでさえ焦ってしまうことがあります。
とはいえ、ほとんどの施設は医療機関と連携しており、緊急時には医師や看護師が駆け付けてくれる体制を取っています。また電話で的確な指示もしてくれるため、すべての判断を一人でする必要はありません。イレギュラー対応が心配な場合は特別養護老人ホームなど、看護師が常駐している施設を選びましょう。
介護の夜勤バイトをするのならどの施設がいい?
ひと口に介護施設と言っても複数の種類があり、施設ごとの特色もまったく異なります。それらの特色を知ったうえで求人情報をチェックしてみましょう。
有料老人ホーム
最も高時給を望めるのは、有料老人ホームです。行政や医療法人などではなく株式会社が運営していることが多く、富裕層に向けた高級路線の施設もあるため、職員に還元される給与も高く設定されています。
有料老人ホームは施設の規模や入居する方の介護度(身体の状態)もさまざまなので、仕事内容を一括りにはできません。求人情報をチェックして自分のイメージに合った仕事ができるかを事前にチェックしておくべきでしょう。
デイサービス
心身ともに一番負担が少ないのがデイサービスです。入居型ではなく日帰り型の施設ですが、「お泊りデイサービス」のようなサービスを用意している施設では夜勤の仕事があります。
介護度が軽い人が利用するため、オムツ交換や体位変換など体力が必要な業務はほとんどありません。そのぶん高時給は望めませんが、ゆっくり働きたい方にとってはおすすめです。
老人保健施設
医療的ケアが必要な方も入居可能な施設です。そのため看護師が常駐しており安心感がありますが、オムツ交換や体位変換などが必要な方も多く入居しています。
介護施設の中でも幅広い疾患に対応しているため、「これから介護業界で働きたい」「スキルを高めたい」という方には経験を積むのに絶好の職場です。
特別養護老人ホーム
介護施設の中でも「要介護3」以上の方しか入居できないのが特別養護老人ホームです。看護師が常駐している施設も多く、夜間の緊急対応時も安心です。老人保健施設とは違ってある程度健康状態が安定している利用者の方が多く、イレギュラーな業務は比較的少なめです。
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