「介護の資格を取りたいけれど、無料で取る方法はないの?」
そのような悩みを持っている方におすすめなのが、ハローワークでの資格取得です。この記事では、ハローワークで介護資格を取得するメリットや取得までの流れについて解説します。
目次
ハローワークで介護資格を取得する方法
ハローワークで資格を取得するには、ハローワークで訓練を受講する必要があります。これは「ハロートレーニング」と呼ばれます。雇用保険を受給しているか受給していないかによって「公共職業訓練(離職者訓練)」と「求職者支援訓練」の2種類に分かれています。
公共職業訓練で取得する
公共職業訓練とは?
公共職業訓練は雇用保険を受給している求職者が対象になる訓練で、離職者訓練ともいいます。無料で受講することができ(テキスト等にかかる費用は自己負担)、訓練を通じて就職に必要なスキルや知識を習得できます。
公共職業訓練のコースには、施設内訓練、委託訓練等があり、それぞれ実施主体や科目が異なります。施設内訓練では、ものづくり系の科目の習得、委託訓練は専門的な技能の習得が主な目的です。
<公共職業訓練の主な特徴>
訓練の種類 |
実施主体 | 科目別(一部抜粋) | 主な特徴 |
施設内訓練 |
国や都道府県 |
機械加工 自動車整備 建築 電気工事など |
ものづくり系の科目が主 |
委託訓練 | 民間事業者 | 介護
医療事務 経理事務 Webデザインなど |
専門的な技能習得の科目が主 |
公共職業訓練の訓練期間や手当は?
公共職業訓練の訓練期間は3ヵ月から2年です。受講中には、受講手当、通所手当、失業手当を受けることができます。
- 受講手当
公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける場合、職業訓練を受講した日ごとに日額500円が支給されます。受講手当の上限は20,000円(最大40日分)です。
- 通所手当
求職者が住んでいる所から公共職業訓練等を受ける場所までの交通費として支給されるもので、月額最高42,500円まで支給されます。
- 失業手当
退職前に雇用保険に加入し一定期間以上働いていた人に対して支給され、退職理由によって支給されるタイミングが違います。また金額は働いた年数や年齢、給与などによって異なります。退職すればすぐにもらえるわけではないということにも注意しましょう。
求職者支援訓練で取得する
求職者支援訓練とは?
求職者支援訓練は主に雇用保険の受給資格がない求職者が対象になり、公共職業訓練と同様に無料で受講することができます(テキスト等にかかる費用は自己負担)。社会人としての基本的なマナーやスキルを身につける基礎コースと、介護等の特定の分野で活躍できる実践能力を身につける実践コースがあります。
<求職者支援訓練の主な特徴>
訓練の種類 | 実施主体 | 科目別(一部抜粋) | 主な特徴 |
基礎コース | 民間事業者 |
ビジネスマナー パソコンスキルなど |
多くの職種で求められる基本的な能力の習得 |
実践コース | 民間事業者 | 介護
医療事務 経理事務 Webデザインなど |
基本的な能力に加えて、特定の分野で活躍できる実践能力の習得 |
求職者支援訓練の訓練期間や手当は?
求職者支援訓練の訓練期間は2ヵ月から6ヵ月です。受講中には職業訓練受講手当と通所手当、寄宿手当を受け取ることができます。
職業訓練受講手当は月10万円、通所手当は訓練を受けるために通所するための交通費として月額最高42,500円まで、寄宿手当は訓練のためにアパートなどに寄宿する場合に月10,700円が支給されます。
<公共職業訓練と求職者支援訓練で支給される手当>
ハロートレーニング | |
公共職業訓練(離職者訓練) | 求職者支援訓練 |
受講手当(日額500円、上限40日分)
通所手当(月額最高42,500円まで) 失業手当(勤続年数、年齢などによる) |
職業訓練受講手当(月10万円) 通所手当(月額最高42,500円まで) 寄宿手当(月10,700円) |
介護資格をハローワークで取得するメリット・デメリット
介護資格をハローワークで取得することもできますが、そこにはメリットだけでなくデメリットもあります。それらについて理解したうえで資格を取るかどうか判断しましょう。
介護資格をハローワークで取得するメリット
まずメリットとしては以下の3つが挙げられます。
お金をかけずに挑戦できる仕事の幅を広げることができる
介護職未経験の人が「介護職の仕事をしたい」と思っても、資格や実務経験がないと採用されるのは簡単ではありません。そのような人が、就きたい仕事と取得すべき資格を明確にしたうえで、お金をかけずに職業訓練を受講しスキルを高めることができるのは大きなメリットです。もちろん資格を取得すれば仕事の選択肢は大きく広がります。
訓練を受講しながら金銭的サポートを受けられる
退職前に雇用保険に加入していた人であれば、失業保険をもらいながらスキルを磨くことができるため、ある程度の経済的余裕をもって訓練に専念することができます。また、訓練受講中は失業手当の受給期間が延長されることもあります。
雇用保険に加入していなかった人でも、一定の条件を満たすことで職業訓練受講給付金が支給されます。さらに訓練の種類によっては受講手当や通所手当などが支給されます。
訓練の受講期間中に支給される失業手当だけでなく、訓練に伴って発生する費用(テキスト代等は除く)についても補助があるため、生活の安定を保つことができます。
失業保険の給付手続きが楽になる
失業保険の支給を申請しようとする場合、通常であれば毎月の失業認定日ごとにハローワークに足を運んで手続きをする必要があります。しかし公共職業訓練の受講中は、訓練校側がこれらの手続きを代行してくれます。そのためハローワークに足を運ぶ回数が減り、訓練に専念できます。
介護資格をハローワークで取得するデメリット
続いてデメリットも見ていきましょう。以下の3つが考えられます
受講の申し込みから実際に就職するまでに時間がかかる
職業訓練を受ける前の段階として筆記試験や面接試験などの選考があり、自分の希望するコースにすぐに入れるとは限りません。選考に落ちた場合には次回の選考試験を受けることになります。
訓練期間は短いもので3ヵ月、長いもので2年あります。そのため訓練の選考を受けてから実際に就職するまでには一定の時間を要します。また、複数の職業訓練を受けることはできず、一つのコースに絞って選考を受ける必要があります
地域によっては希望のコースを受講できない場合がある
職業訓練はお住まいの地域によっては希望のコースを開講していない場合があります。遠方の地域にアパートを借りて受講する場合には手当が支給されますが、自宅から通える訓練校がよいという人もいるでしょう。最寄りの訓練校で受けたいコースが開講されているか、あらかじめ確認しておきましょう。
訓練を受けるにあたってそれなりの覚悟が必要
スキルを習得して早期に就職してもらいたいという訓練校の思いから、職業訓練中はアルバイトなどで収入を得ることが原則禁止されています。
また、スキルを習得するためには欠席等をしないように規則正しい生活が求められます。職業訓練を受ける意義を理解し長期にわたる職業訓練生活を送る覚悟があるかが問われます。
給与
|
パート・アルバイト 日給 24,000円~24,000円 |
---|---|
勤務時間
|
21:00~翌9:00 |
仕事内容
|
府中市にある男性のご利用者様のお宅に訪問して身体介護、生活援助をお願いいたします。 (勤務時間:月曜日の21:00~火曜日の9:00) ※別室で仮眠もできます。 |
住所
|
東京都 町田市 小山町2598-5 メゾンファミーユⅤ101 京王相模原線 多摩境駅 から徒歩6分 |
介護資格をハローワークで取得する流れ
ハローワークで介護資格を取得するまでの流れは以下のようになります。
ハローワークで求職申込書を提出する
求職申込書は以下の6つの項目に分かれており、それぞれの項目に記入し提出をします。
- 氏名や生年月日などの基本情報
- 求職者情報提供等の取り扱い
- 希望する職種や勤務時間等
- 希望する勤務地や賃金等
- 学歴と取得している資格
- これまでの経歴
受講するコースを決める
就職に必要なスキルの習得に向け、どのコースを受講すべきかを決めましょう。ひと口に介護職といっても、介護職員初任者研修科、介護事務科、生活支援サービス科といったようにさまざまなコースがあります。まずは介護施設で自分はどのような仕事をしたいのかという明確なビジョンを持ちましょう。
受講申込書を提出する
受講申込書には主に以下の項目を記入します。
- 訓練を受ける施設名
- 訓練のコース名
- 訓練科目
- 訓練期間
- 氏名や生年月日などの基本情報
- 職歴
- 職業訓練受講歴
- 取得している免許や資格
- 職業訓練を受講する理由や希望など
面接や選考を受ける
訓練を受けるためには、まず筆記試験や面接試験に通らなければいけません。筆記試験ではSPIテストよりやさしめの問題が出題されます。また職業訓練は就職してもらうことが目的であるため、面接試験では、以下の条件をクリアできる人かどうかが見られます。
- 就職したいという強い意志があるか
- 訓練に毎日通うことができるか
- 職業訓練を受ける動機をしっかり話せるか
これらのことを説得力のある言葉で伝える練習が必要です。
就職支援計画書を作成してもらう
選考を受けると合否に関係なく「選考結果通知書」が届きますので、合格している場合は訓練開始前にそれを持ってハローワークへ行き「就職支援計画書」の交付を受けます。就職支援計画書は、ハローワークへの来所日や求職活動の実績等について記録し求職支援を行うための書類です。交付を受けるためには以下のものが必要です。
- 選考結果通知書
- 証明写真(3㎝×4㎝)
- ハローワークカード
訓練の開始
選考に合格し所定の手続きを終えると、いよいよ訓練生活の始まりです。訓練開始日に入所式や受講に関するガイダンスがあります。訓練は、やむを得ない事情がある場合を除き遅刻や欠席はNGですので十分注意しましょう。
また、訓練は基本的には平日の朝から夕方までですが、それと並行して求職活動も行わなければならないため、スケジュールの管理も求められます。
ハローワーク応募時の志望動機の書き方
ハローワーク経由で応募するときは履歴書や職務経歴書の提出を求められることがほとんどですが、履歴書には志望動機を書く欄もあります。では、無事に内定を勝ち取るためにどのような志望動機にすればよいのでしょうか。悪い例も合わせて紹介しますので参考にしてください。
志望動機を書く時のポイント
志望動機を書くときは以下の2つのポイントを意識しましょう。
なぜ介護の仕事をしたいのか
介護の仕事を始めたいと思ったきっかけについて説得力のある理由が必要です。自分自身の過去のエピソードなどを交えて話すとよいでしょう。
「以前祖父の介護をしたときに大変喜んでもらい、大きなやりがいを感じました。それ以来、祖父と同じように介護を必要としている人のサポートがしたいと思うようになりました」
など、実際に介護をした経験があれば説得力がより増します。
なぜここの介護施設を選んだのか
「なぜ他の施設ではなくこの介護施設に応募したのか」という理由にも説得力を持たせることが重要です。そのためには、応募した施設の募集要項にしっかり目を通す必要があります。
たとえば、募集要項に「責任を持って仕事ができ、元気で明るく、人と話すのが好きな方を歓迎します」などと書いてある場合には、これに対するアピールが有効です。
「私は学生時代に接客販売のアルバイトをしていました。人と接するのが好きで選んだ仕事ですが、毎日いろんなお客様が来られる中、常に笑顔で接するように心がけていました。ときにはクレームが入ることもありましたが、そのときはお客様の言い分をしっかり聞いたうえでこちらでも丁寧な説明をすることで、納得して帰っていただきました。よいことばかりではありませんでしたが、仕事はすべて責任を持ってやり遂げていました。このような経験を活かし、人と接する機会の多い御社の介護の仕事に貢献できると思い志望しました」
などと自分の経験や長所を交えたアピールをすると、採用担当者の印象もよくなるでしょう。同時に、自分にどのような能力があるかというアピールにもつながります。
志望動機のNG例
一方、志望動機を聞かれた時に伝えるべきではないものとしては以下の3つが挙げられます。
残業時間が少ない
残業時間が少ないのは労働者にとってうれしいことであるのは事実ですが、「介護職じゃなくてもいいのでは?」という疑問を持たれてしまいます。
給与の額が高い
こちらも残業時間と同様「給与の高さだけでうちを選んだの?」と思われ、マイナスの評価の対象となります。
介護職はニーズが高く安定してる
確かに介護職は今後もニーズが高まっていく職業ですが、それを志望動機として話すと「安定という理由で介護職を選択する安易な人」というイメージを与える可能性があります。
ここで挙げた志望動機のNG例に共通するのは、「仕事そのものではなくそれに付随する条件が気に入っている」という印象を与えてしまう恐れがあることです。仕事そのものに対する積極性をアピールできる志望動機を考えましょう。
介護資格は働きながらでも取得できる
「介護の仕事は資格がなければ就けない」と思っていませんか? 実際は無資格者であっても採用されますし、日々の仕事の中で経験を積みながら資格取得を目指せる施設もあります。そのような施設の探し方について解説します。
資格取得支援制度のある施設や事業所へ応募しよう
介護施設で働きながら資格取得を目指す「資格取得支援制度」を設けている施設を探してみましょう。求人情報に「あなたの資格取得をサポート」「資格取得に要する費用は会社が全額負担します」などと書かれていれば、資格がなくても採用されるということを意味しています。
中にはこのようなことを具体的に書いていないケースもありますが、そのような場合は直接問い合わせてみるのも一つの方法です。仕事に対する熱意をアピールするチャンスにもつながります。
資格取得中も給与保証のある施設や事業所もある
「資格取得と仕事を両立させることができるか不安」と感じる人もいるかと思いますが、資格取得のための講座などの受講期間中でも給与保証をしてくれる施設もあります。そうした施設で働くことができれば、生活の安定を図りながら資格取得に専念できます。
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