介護職の職務経歴書の書き方を項目別に解説!未経験者の書き方例も紹介

 

「介護職への転職の際に必要な職務経歴書をどう書いたらいいかわからない」という悩みを持つ方は少なくないのではないでしょうか。

この記事では、採用担当者に「ぜひあなたに会ってみたい」と思わせる職務経歴書の書き方をお伝えします

職務経歴書の基本

初めて転職活動をする人にとって、職務経歴書は馴染みのないものでしょう。職務経歴書はあなたがこれまでに携わった仕事における経験や実績をアピールするための重要な書類です。職務経歴書の書き方次第で採用担当者の印象は変わってきます。まずは基本的なことをしっかりと押さえましょう。

職務経歴書の基本1. 手書き・PCどちらでもOK

原則として履歴書は手書きで書く必要がありますが、職務経歴書の場合は手書きでもパソコンでもどちらでも構いません。近年はデジタル化の流れによってパソコンで職務経歴書を作成する人が増えています。

手書きの場合

手書きの場合は油性の黒ボールペンか万年筆を使用します。一字一句、誤字や脱字のないように丁寧に書き、書き損じた場合には新しい用紙に最初から書き直しましょう。修正テープなどを使用することはNGです。また、過去に他の会社へ応募した際に使ったものがあったとしてもそれを使い回すことは避けましょう。

PCの場合

パソコンでの職務経歴書作成は手書きの場合とは違って修正が楽であるという点が大きなメリットです。ただし、手書きの時と同様に誤字や脱字には十分に注意しましょう。単に文章を書き連ねるだけではなく、採用担当者が読みやすいように見出しを整えたり、適当な位置で改行したりするようにしましょう。

職務経歴書の基本2. フォーマットは3種類

職務経歴書のフォーマットは大きく分けて以下の3種類があります。

編年体

編年体は、職務経歴の古い順にこれまで経験した業務内容をまとめる形式をいいます。パッと見て経歴の流れがわかるというメリットがあり、介護職としての経験が浅い人や未経験者におすすめのフォーマットです。一般的な日本企業への応募の際には編年体で職務経歴書を書くことが普通です。

逆編年体

逆編年体は編年体とは書く流れが逆になります。最も新しい職務経歴から順に業務内容をまとめて書いていく形式です。直近の職場での実績を積極的にアピールできる点が大きな特徴で、主に外資系企業へ応募する際には逆編年体で書くことが常識となっています。

キャリア式

職務内容や専門分野を軸として職務経歴を書いていく形式です。これまでにどのような経験を積んできたのか、どのような資格やスキルを持っているのかなど、強調したい点を全面に出してアピールできるメリットがあります。

介護業界での経験が豊富な人にはこのキャリア式がおすすめです。また転職回数が多い人にもキャリア式が向いています。

職務経歴書の基本3. 過去の勤め先や資格は全て正式名称で書く

過去に勤めていた施設や法人の名称、保有する資格名などを職務経歴書に記載する際には、正式名称で書く必要があります。正式名称が分からない場合には公式ホームページで確認しましょう。以下、悪い例と良い例を挙げます。

×悪い例 〇良い例
特養 特別養護老人ホーム
普通自動車免許 普通自動車第一種運転免許
初任者研修 介護職員初任者研修
ケアマネ 介護支援専門員

職務経歴書の基本4. 業務内容は具体的に詳しく書く

職務経歴書には、あなたが過去にどのような業務に携わってきたかの業務内容を具体的かつ詳細に書く必要があります。これは、あなたのこれまでの実績や経験を採用担当者により明確にイメージしてもらうために重要です。

あなたの過去の業務内容を把握することは、新しい職場においてあなたがどのような活躍をしてくれるかを判断する材料となります。また、職務経歴書を通してしっかりとあなたの過去の実績等を開示することで、応募する側と採用する側のミスマッチを防ぐことにもつながります。

業務内容を書く際には、例えば「1ユニット9人、介護度が1〜4の認知症の入居者に対して要介護度に合わせた介助を行ってきました」のように数字を用いて書くとより具体性が増し有効でしょう。

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介護職の職務経歴書の書き方

ここからは、職務経歴書の各項目の具体的な書き方について説明します。

職務経歴書の書き方1. 経歴概略

経歴概略は、あなたが最初の会社に入社してからこれまでに社会人として歩んできた大枠の流れを簡潔にまとめたものです。職務経歴書の冒頭に書くため、採用担当者が最初に目にする箇所でもあります。

そのため、あなたに興味を持って最後まで職務経歴書を読んでもらえるかどうかは、この経歴概略がカギを握っているといっても過言ではありません。

ポイントは、採用担当者が求めている人材にあなたが合致するかどうかです。求人情報をしっかりと読み込み、あなたの経歴の中で応募先において有効な経験や実績があれば、それをしっかりと全面に出してアピールしましょう。

介護職の経歴概略の書き方例

◯◯専門学校を卒業後、新卒で株式会社○○商事が運営するホームセンターで販売接客の仕事に3年間従事しました。その後、社会福祉法人△△に入社してからグループホームで6年間、利用者の食事や入浴、排泄などの日常生活のお世話や心身の機能訓練を行い知識・技術の向上に努めてきました。入社後3年目からはチームリーダーとして介護現場の統括管理や職員の教育、マネジメントにも携わってまいりました。

職務経歴書の書き方2. 職務詳細

職務詳細では、あなたの職務経歴を時系列に沿って書いていきます。何度か転職をした場合には就業した会社の順に書きます。職務詳細に記入する項目は以下の通りです。

  • 勤務先の会社名
  • 勤務先の業種
  • 在籍期間
  • 雇用形態
  • 職種
  • 職位(役職に就いていなければ未記入)

介護職の職務詳細の書き方例

以下の職務詳細はこれまでに2社を経験した場合の例です。

【職務詳細】

勤務先:株式会社○○商事 ホームセンター△○ ✕○店

業種:小売業

在籍期間:20□□年4月〜20✕✕年3月(3年間)

雇用形態:正社員

職種:販売接客

【職務詳細】

勤務先:社会福祉法人△△ グループホーム□○

業種:福祉

在籍期間:20✕✕年4月〜20△△年3月(6年間)

雇用形態:正社員

職種:介護職

職務経歴書の書き方3. 職務内容

職務内容には、あなたがそれぞれの職場で経験した職務を時系列に沿って書きます。このとき、業務内容だけでなくその業務であなたが担った役割や達成できた成果なども盛り込むとよいでしょう。また、具体的な数字を用いて表現することで説得力のある文章にすることができます。

介護職の職務内容の書き方例

以下は、上記の職務詳細と同じ2社(順にA社、B社)についての職務内容の例です。

【A社の職務内容】

1社目のホームセンターでは主に販売と接客の業務を行っており、私は農業資材の管理も担当していました。取り扱う500近くの商品の中からお客様がお探しの商品をご案内し説明することも求められましたので、各資材の用途や役割についても日々学んできました。

ご高齢のお客様が多く、私が重たい資材をお車まで運ぶと大変喜んでいただけたことが今でも印象深いです。「ありがとう」と言ってもらえた時には特に大きなやりがいを感じました。

【B社の職務内容】

2社目に入社したグループホームには2ユニットあり、要介護度1〜4の認知症の方が各ユニットに7名ずつ入居されていました。私はそのうちの1ユニットを他の職員と一緒に担当していました。

食事、入浴、排泄などの身体介助や身の回りの生活支援が主な業務でした。利用者の要介護度に応じ利用者ご自身でできることはご自身でしてもらい、利用者の自立を促す取り組みも行なっていました。

3年目からはチームリーダーを任され、レクリエーション活動で利用者にもっと手先を動かしてもらえるような取り組みを提案し、音楽療法を取り入れました。

職務経歴書の書き方4. 保有資格

保有資格を記入する際は取得順に書き、西暦か和暦かのどちらかに統一します。普通自動車免許や介護に関する資格以外に、幼稚園教諭や教員免許などアピールできる資格を取得している場合にはそれらも記載しましょう

介護職の保有資格の書き方例

【保有資格】

  • 20○△年△月 普通自動車第一種運転免許 取得
  • 20○□年△月 介護職員初任者研修 終了
  • 20○✕年□月 介護福祉士実務者研修 終了
  • 20△□年▽月 介護福祉士 取得
  • 20△▽年✕月 認定介護福祉士 取得

職務経歴書の書き方5. 自己PR・志望動機

自己PRと志望動機を書く際には、両者を別々に書く場合とまとめて書く場合があります。いずれにせよ両者の違いを意識することが大切です。自己PRではあなたの過去の経験や実績といった「強み」を中心に語ります。

一方、志望動機はあなたがその会社を志望するに至った理由やその背景をもとに「将来どうありたいか、経験や実績をどう活かしたいか」を中心に書くことになります。過去(自己PR)→未来(志望動機)の順で書くほうが説得力を増すことができます。

介護職の自己PR・志望動機の書き方例

上記のA社、B社の職務内容をもとにして自己PRと志望動機の書き方の例を示します。

【自己PR】

私はこれまでホームセンターでの販売接客業とグループホームでの介護スタッフとして仕事に従事してまいりました。

販売接客業では、お客様のニーズに迅速に応えられるよう管理を担当している農業資材部門の約500の商品について、商品の配置場所やサイズ、用途などについて積極的に学びました。その甲斐あって、お客様からは迅速な対応を褒めていただき、リピーターになってくださった方も多くいらっしゃいました。

グループホームでは、ご利用者様の身体介護や生活支援を行う中で、信頼関係を築くために日々のコミュニケーションを大切にしてきました。「ありがとう」と言っていただけたときには大きなやりがいを感じることができ、私は人に喜んでもらう仕事が心から好きであることを実感しました。また、介護の専門性をさらに高めるために介護職員初任者研修をはじめ介護に関する資格にも挑戦して参りました。

【志望動機】

私が介護職を志したのは、新卒で入社したホームセンターで働いていたことがきっかけです。お客様のなかにはご高齢の方も多く、車椅子で来られる方や杖をついて来られる方もいらっしゃいました。

そのような身体的な事情を抱えたお客様と接する中で介護の仕事に興味をもつようになり、グループホームへの転職を決断しました。貴社は認知症のケアにも力を入れていると伺いましたので、グループホームでの経験を活かして多くのご利用者様のお役に立てると思い貴社を志望いたしました。

現在は認定介護福祉士などの資格も取得しておりますが、貴社に入社後もさらに専門性を高めていけるよう日々精進していきたいと考えております。どうぞ、よろしくお願いいたします。

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給与
パート・アルバイト 日給 24,000円~24,000円
勤務時間
21:00~翌9:00
仕事内容
府中市にある男性のご利用者様のお宅に訪問して身体介護、生活援助をお願いいたします。
(勤務時間:月曜日の21:00~火曜日の9:00)
※別室で仮眠もできます。
住所
東京都 町田市 小山町2598-5 メゾンファミーユⅤ101
京王相模原線 多摩境駅 から徒歩6分

【職務経歴書】介護職種別の自己PR・志望動機書き方例

介護職の種別によっても自己PR・志望動機は違ってきます。以下、それぞれの種別ごとに経験者の場合と未経験者の場合に分けて具体例をみていきましょう。

【職務経歴書】自己PR・志望動機例1. 入所系介護職の場合

入所系介護職は、24時間体制で利用者とかかわる点が大きな特徴です。その点も意識して志望動機につなげましょう。

経験者の場合

私はこれまでホームヘルパーとして4年間働いており、認知症のご利用者様の身体介護や生活支援がその中心でした。ホールヘルパーの仕事ではご利用者様の尊厳を大切にしており、ご利用者様ができることはご自身でやっていただいておりました。

日常生活においてご利用者様自身でできることが増えることはご本人の自信にもつながりますし、私自身も大変うれしい気持ちになりました。

この度、貴社のグループホームを志望したのは「ご利用者様のできることを尊重し寄り添う介護」をスローガンに掲げていらっしゃるところに共感したからです。

認知症の方に24時間体制でかかわることができる貴社で、これまで以上にご利用者様に寄り添った介護をしたいという強い思いがあります。そのためにも、今後さらにスキルを磨いていきたいと考えております。

未経験者の場合

私はこれまで飲食店での接客業に8年間従事してまいりました。現在では新人教育や店の運営管理など幅広い業務に携わっております。

仕事をする中で特に大切にしているのは、お客様に真心を込めたサービスを提供することです。私が介護職に関心をもつようになったきっかけは、過去に祖父が特別養護老人ホームに入居したことがきっかけです。入居前は不安そうでしたが、しばらくしてから祖父を訪問するととても楽しそうに過ごしており安心しました。

施設の職員の方が祖父に寄り添った親身なサービスをされていることを知り、私も介護職として働きたいと思うようになりました。

この度、貴社では職員の方が利用者と家族のような関係を築くためにさまざまな工夫をされていることを知り感銘を受け、貴社を志望いたしました。介護未経験ですが、これまで飲食業界でお客様に喜んでもらえるサービス提供に尽力してきた経験を貴社でも活かしたいと考えております。

【職務経歴書】自己PR・志望動機例1. デイサービスの場合

デイサービスに通われている方は要介護度が低く、まだまだ元気な方がいらっしゃいます。そのため要介護状態とならないための「介護予防」に重きを置いている施設が多くなっています。志望動機にもその点を盛り込むとよいでしょう。

経験者の場合

私はこれまではグループホームで5年間、認知症のご利用者様に介護サービスを提供してまいりました。認知症といっても要介護度によって症状はさまざまです。グループホームは一種のコミュニティであるため、その中で共同生活をしていただくためのサポートや認知症ケアに力を入れておりました。

貴社のデイサービスでは「認知症にならないための予防」に力を入れておられると知り、私のグループホームでの経験が活かせると思い志望いたしました。レクリエーション等によって介護予防をすることも可能ですので、ご利用者様お一人おひとりに合ったレクリーションを提案していきたいです。

認知症予防の観点から、デイサービスのご利用者様がより長く健康でいられるようサポートをしたいと思っております。

未経験者の場合

私の祖母は以前、リハビリのためにデイサービスに通っていました。最初はリハビリに行くのを嫌がっていましたが、いつしかデイサービスに行くのが楽しみになっていたようです。理由を尋ねると、デイサービスに行くと話を聞いてくれる人がたくさんいるからだと答えてくれました。

施設の職員だけでなく他の利用者とも和気あいあいと過ごしているようで、それまでの私の中の介護施設のイメージが一変しました。それをきっかけに介護の仕事に興味を持つようになり、介護職員初任者研修を受けました。

貴社を志望したのは、単に利用者に介護サービスを提供するだけでなく、利用者の尊厳を大切にしQOLを高めるための取り組みをされていることに共感したからです。未経験者ではありますが、これから経験を積みさらに他の資格にも挑戦したいと思っております。

【職務経歴書】自己PR・志望動機例3. 訪問系介護職の場合

訪問系介護職は利用者の自宅に訪問してマンツーマンで介護サービスを提供するため、身体介護などを行うための資格が必要になる点に注意しましょう

経験者の場合

私は特別養護老人ホームで介護職の仕事に5年間携わってきました。主な仕事は施設のご利用者様の身体介護や生活支援などです。仕事に励む一方、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修を終え、介護福祉士の資格を取得するなど、スキルアップにも努めてきました。

貴社での訪問看護を志望する理由は、これまで担当した特別養護老人ホームのご利用者様のなかには自宅に帰られることを望んでいる方が多く、そのための力になりたいと思ったことがきっかけです。

貴社の「住み慣れた我が家での安心した生活をサポート」という理念にも共感いたしました。私自身も今後よりいっそう介護職としての専門性を高めていきたいと考えております。

未経験者の場合

私はこれまで運送会社のトラックドライバーとして15年間働いてまいりました。近年は高齢者の単身世帯の家庭も多く、ご自宅に荷物をお届けした場合、玄関まで出てくるのも辛そうにされている方を多く目にしてきました。

同じ地域を長年担当していると顔馴染みのお客様も増え、私が荷物を届けに行くととてもうれしそうに出迎えてくださる方もいらっしゃいました。そのような日々を送るうちに単身の高齢者や身体に問題を抱えてる方をケアする側になりたりたいという思いが強くなり、訪問看護の仕事を志望するに至りました。

貴社はご利用者様に寄り添い、「その人らしさ」を尊重したサービスを提供していると伺い共感いたしました。介護未経験ではありますが、前職中に仕事をしながら介護職員初任者研修を受け終わっております。

ご高齢のお客様と長年かかわってきた経験を活かしながら、ご利用者様に寄り添ったサービスを提供したいと考えております。

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